茶の木をダイエット 茶の木でダイエット

 こんにちは&こんばんは。

田舎の嫁初心者の小烏です。



 ここしばらくいいお天気続きで昨日は半袖でもいい気温でした。

が、今日は打って変わって雨。

また長袖となりました。


 さて。

田舎では味噌も漬け物も自家製ですが、お茶も自家製です。我が家にも傾斜地に茶畑が4ヶ所あります。少ないほうだそうです。


 昔は出荷もしていたとのことですが、今は自宅で飲む茶葉しか必要ありません。なので、一番いい茶畑を残してあとはザッとしか手入れをしていません。

そうすると手入れをさぼっている茶畑は、雑草は蔓延はびこるし茶の木も必要以上にスクスク育つしで、草刈り機を入れるのにも通路部分が狭くなってきました。そこでこの冬雪解けを待って茶畑をダイエットすることになりました。


 木と木の間が人一人通れるかどうかというぐらい張り出してよく繁っている枝を根元から落とし茶の木を「スリム化」、茶の木の根元を「見える化」していきます。


 夫は茶の木を根元からザックリ大鋏で落とす係。小烏は落とした枝をひと抱えにして開けた場所まで運ぶ係です。

おお、これは歩数が稼げるぞ!と万歩計を腰につけてダイエットだ!と喜んでおりましたが、足元の悪い傾斜地のこと小一時間もやると足も疲れてイヤになってきます。

しかし夫は黙々と作業をしております。


 黙々と作業すると、そうでなくても絡まった茶の木の枝が黙々と積み重なり、重なると枝がますます絡まって、運ぶ枝をひとかたまりに取り分けるのが面倒になります。

つまり、こちらも黙々と運ばないといけないということ。

農家という仕事は辛抱強い、持久力のある人間にしか出来ないなと思います。


 何日かおきに茶畑を歩き続け、運び続け、二ヶ月半。茶畑の茶の木はすっかりダイエット出来ました。


 あまりにスリムに刈り込んで、もはや何の木かわからないぐらいです。

それを見た義母は憤慨しておりましたが、隣の茶畑(親戚の茶畑)も二週間後同様に「スリム化」されていたので、一部賛同者がいたものと思われます。

スリム化した茶畑は、通路も広く草刈り機を振り回すのもとても楽ちんです!


 一方家の近くの茶葉を収穫するほうの茶の木は、電動バリカンでキレイに枝を刈り込んで木の形を整えておきます。

「夏も近づく八十八夜」の茶摘みに備えるのです。


 そして、茶葉の加工場から新茶取り扱いの案内が来たら、ついに茶摘みです。


 ちょうど5月の半ば頃、新芽が出揃った頃です。お天気が数日続いたら、決行です。

静岡など大きい茶畑ではトラクターのような乗用茶摘み機がありますし、こちらでも余裕のある農家は手で持つタイプの電動茶摘みマシーンを使います。でもうちは昔ながらの手動。大きい鋏に収穫袋がくっついた茶摘み専用鋏です。


 夫と小烏が交代でその大鋏でジャッコジャッコと新芽辺り(この「辺り」っていうのがポイントです)を刈り取って袋に溜まったら、竹で編んだ背負い籠に移します。背負い籠がいっぱいになったら選別場所に運んできます。

(参考までに。お隣の園田さんのお宅では、奥様(オン年75才)が一週間かけて手摘みされます。手摘みなので選別の必要はありません。)

 

 選別チームのチーフは義母です。義母の指揮のもと離れと母屋の間の通路いっぱいに段ボールを敷いて(地面に座り込んでの作業なので座布団代わりです)、その上にブルーシートを広げます。大黒様かサンタクロースが持っているような子どもが三人位は余裕で入りそうな丈夫な木綿の袋とバケツを用意します。


 さあ、夫がブルーシートに茶の葉をバサーっと茶葉を広げます。

小烏たちはバサーっと広げられた茶葉に埋もれながら選別するのです。


 なにしろ「新芽辺り」を刈られているので、古い葉とか小枝とか、雑草とか、虫とか、蜘蛛の巣とかがランダムに入っています。

小さな新芽を一つずつ取り上げては選別します。

葉に傷のあるもの、古い葉、小枝、虫食いなど不要なものはバケツへ。

厳選なる審査を通ったものは大黒様の布袋へ。


 新緑の香りに包まれての作業は半日にも及び、腰は痛いし尻は痛いし、目はショボショボするしで長く続けていると、わぁーっと叫びたくなります。

やはり農家というものは、辛抱強く忍耐強く腰は強く、そういう人だけがやれるものだと思います。


 この日収穫した茶葉の中で最終選考に通った期待の新人(新茶)は全体の三分の二程度。全部で18キロほどありました。


 大黒様の布大袋の口をぎゅっと締めたら軽トラに乗せます。これをお茶の加工場に持って行って茶葉に加工してもらうのです。

加工場には新茶を持ち込む農家の軽トラが行列を作っていました。さっきまで同じように摘み取り、選別作業をしていた農家仲間です。


 順番が来たら、袋ごと大秤に乗せ重さを計ります。そのあと隣で湯気を立てている大きな「口」に茶の葉をドサッと放り込むと、また空になった袋の重さを計ります。

これで本日の仕事はおしまい。

持ち込んだ茶の葉の量に応じた「茶葉」となるのです。

加工場の辺りは新茶のいい香りがしていました。昔家族で宇治に行ったことがありましたが、その宇治を思い出させる香りでした。


 あ、肝心の小烏のダイエットですが、茶の木ほど成果は出ておりません。いえ、正直に申しましょう。ダイエットどころが、増加です。茶の木とともにダイエットする予定でしたのに!茶の木は「スリム化」成功したのに!

おそらく休憩のたびにお茶とともに食べた、バナナとかお饅頭とか袋菓子が敗因だと思われます。


近況ノートに写真があります

https://kakuyomu.jp/users/9875hh564/news/16817139554980830085



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る