「まる」と「小夏」と「小烏」と
こんにちは&こんばんは。
田舎の嫁、小烏です。
小烏は猫が大好きです。
実家には、ミックスの犬と黒猫がいました。
結婚してからはペットを飼う余裕はなく、引っ越しも多かったので半ば諦めていました。最後に暮らしていたマンションもペット厳禁。いつかペットと暮らすことを夢見ておりました。
とある事情で田舎に移って、ついに大好きな猫飼い放題!と期待に胸をふくらませておりました。しかしなんとも残念なことに義母は猫が好きではありませんでした。敷地内を巡回コースにしている猫にも部屋の中から威嚇の声を出します。義母にとっては猫も犬もペットではなく使役する家畜。室内飼いなどとんでもない!猫は家を汚す動物なのです(そういえば、母方の実祖母も猫は可愛がっていましたが、基本姿勢は「ネズミを捕る家畜」でした)。
小烏の夢「猫でハーレム」計画はいきなり頓挫してしまいました。
さてお隣さんに園田さんというお宅があります。
園田さんのご夫婦は犬も猫も好きで、今は「まる」という猫がいます。
白黒の男の子(年齢的にはオジサン?)で背中の辺りはホルスタイン柄です。
しっぽは長く真っ黒で、しゅっとしています。
以前飼っていた猫が家出して帰って来なかったそうで、「まる」は首輪に長い紐がついています。
人懐っこい性格で「おとうさん」「おかあさん」が畑で作業をしているときは紐を外されてお二人の足元に座っています。他所に行ったりしないんだそうです。
「おとうさん」「おかあさん」が留守中の定位置は玄関横の縁台の上。
お二人が家にいてもよくこの定位置に座っているのでお気に入りなのかもしれません。真冬でも縁台で丸くなっているのを見るとこちらが寒くなってしまうのですが、あまり入れてくれと鳴かないんだそうです。
園田さんのお宅に回覧板を持って行くのは、とても楽しみです。
三回に一回くらい玄関の手前で「まる」チェックがあるからです。のそぉと起き上がった「まる」にクンクンと匂われ、すりすりっと足元にからだを寄せられ、「まる」の気分がいいとお腹を撫でてもいいよとひっくり返ってくれます。そうなるとしゃがみこんで「まる」様を堪能させていただきます。ちょっと太めの温かいからだはいつもすこしのホコリとお日さまの香りです。幸せです。
「まる」様的に、堪能が長すぎると足裏で顔を押されます。使いこまれた肉球はざらついて硬めです。
あの、肉球フニフニしてもよろしいですか?
あ、ダメですか。
猫の肉球はキャラメルのような匂いがすると言われています。
昔ご縁のあった*「黒猫のおじいちゃん」は、言われて見ればキャラメル風な匂いだったように思います。が、「まる」は残念ながらキャラメル風味はありません。
さて、犬のお散歩でうちの畑の前の道を必ず通る若いご夫婦がおられます。
大抵ご両親のどちらかが娘さん(六か月)をベビーカーに乗せて、片手にリードを握って通られます。
犬の名前は「小夏」ちゃん。黒い小型の柴犬で茶色の眉(麿のような)がとても可愛い女の子です。この子もとても人懐っこくて、名前を呼んでしゃがんでいると尻尾を振って走って来てくれます。
鼻と口元をぺろぺろ舐めてくれるので、お礼に耳の後ろを掻かせてもらいます。「小夏」ちゃんの毛並みは少し硬めですが艶々で、中身の充実を伺わせる張りのあるいいお尻をしています。ちょっとやそっとパンパンしてもダメージのなさそうなぷりっとした可愛いお尻です。
小さな足の三本に薄茶の「長靴下」を、残り一本には「短い靴下」をはいています。
まだ仔犬のころは「お手」をすると、差し出した手のひらをボタンを押すようにグッと押し込んでいましたが、お姉さんになった最近ではとても上手に手のひらに前足を乗せてくれます。「おかわり」を言うまえから反対側の足を上げて待機してくれるので、こちらが「おかわり」されている気分になります。
飼い主さんが先に進むよと言うまで小烏と遊んでくれます。
その可愛い「小夏」ちゃんが飼い主さんの次に大好きなのは、なんと園田さんちの「まる」。
小烏と遊んでいても園田さんの玄関わきの「まる」がのそっと動くのを目ざとく見つけると、耳をピンと立てて尻尾を千切れんばかりに振って「まる」のところに駆け寄って行きます。
「まる」もまんざらではないらしく、「小夏」ちゃんが駆け寄るとのそぉーと起きてきて鼻を付き合わせてご挨拶をします。
「小夏」ちゃんにすりすりっと体をすり寄せ、しっぽを絡ませ、正面に座って「なー」と鳴きます。
「まる」と「小夏」ちゃんは、小烏のアイドルです。
でもこの二匹が揃うと、とても残念なことに小烏は透明人間になってしまいます。
そういえば、この瞬間は飼い主さんも透明人間化しているようにお見受けします。
そのうちあの二匹の間に挟まって、双方からすりすりっとしてもらいたいものです。
*「黒猫のおじいちゃん」についてはこちらにエピソードがあります。
よろしければ、お寄りください。
https://kakuyomu.jp/works/16816927861004084671/episodes/16816927861004140014
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