第3話

 「早速だが、港を目指すぞ。」

 「この島から出るのね。」

 「ああ、目的地はこの群島の活動の中心、つまり本島に向かう。」

 少女達は港を目指した。港はこの島の活動の中心地、当然人は多い。何よりこの島では成人しなければ島を出ることは許されない風習があった。人目が多い港で一人の少女が島を出ようとするならば当然目立つだろう。だが彼女たちには秘策があった。


 ~港にて~

 「それでこの船を借りればいいのね。」

 「借りるってよりかは盗むだけどな。この船を俺が水で作りだした航海士に運転させる。」

 「そんな器用なことができるのね。」

 「まあそこで見ておけよ。」

 その瞬間美しい海に一つの水柱ができた。やがて天まで届きそうな高さになると、柱が消えて、人が現れた。これが魔獣の魔法。魔獣の力。

 「本当まで頼む。それじゃ、行こうか!」


 ~海の上にて~

 「わぁ、とても綺麗な魚がいっぱいいるのね。」

 透き通るほどきれいな海の下には美しい魚がたくさんいた。

 「お前、海で泳いだことはないのか?」

 「ええ、ないわ。泳ぐのが怖くて。でもなんだか今はとても泳ぎたい気分だわ。」

 「そうかい、そいつはいいかもな。」

 「え、まさか泳ぐの!」

 「冗談、冗談。この度が終わったら一緒に泳ごうぜ!」

 

 「なぁそれ俺も混ぜてくれよ。」

 どこからか知らない声がした。少女のとても近くで、この船の中で。

 「誰だ!気を付けろ、追手だ!」

 「ええ、分かってるわよ。行くわよ、共に戦いましょう!」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アロマと魔獣の海 @yuushunn

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ