エピローグ



 文化祭、振替休日。

 その日俺は、義妹の夕月ゆづきとデートしてきた。


 誕生日のプレゼント買って、いろいろして、家に帰るところだ。


「たのしかったですねぇ……」

「ああ、そうだな」


 隣を歩くのは、ニコニコ顔の夕月ゆづきだ。

 満足そうに自分のお腹をさすっている。


「まさか外出10分、残り全部ラブホテルとはおもわなかったわ……」


 プレゼント何が欲しいか聞いたら、夕月ゆづきは真顔で、こう答えた。


『赤ちゃん♡』


 と。

 ……それを聞いて俺は理性を失い、やりまくりしてしまった……。


 その結果、夕月ゆづきの胎にたっぷりとプレゼントしてやったぜ。俺よぉ……。


「これでできるといいなぁ、亮太君の赤ちゃん♡」

「はは……はぁ……」


 育てていけるのか?

 俺はまだ学生のうちだぞ?


 そんな俺の内心の不安をくみ取ったのか、隣を歩く夕月ゆづきが笑顔で、俺の手を取る。


「大丈夫です♡ ふたりで乗り越えていきましょう! そうすれば……きっと大丈夫! ていくいっといーじーですよ!」


 ……気楽に行こう、か。

 ま、そうだよな。


 そうだよ。人生、そんな深く考えなくていいんだ。


 俺はこの数ヶ月でいやというほど思い知らされた。

 そして、考えさせられた。


 その結果。

 今が気持ちよければ、それでいいって結論に達した。


「おいおいそれでいいんかい、おふたりさんよお?」

「「あ……」」


 家の前には、四葉、みしろ、そして先生がいた。

 三人には夕月ゆづきと付き合うことにしたことを既に伝えてある。


 距離を取られるだろうと思っていたが、三人はまたここに来ていた。

 な、なんで……?


「決まってんだろ! セックスしようぜ!」

「え、えええ!?」


 四葉なにいってんだ?

 俺はちゃんと、振ったはずだ。


「本命はゆづちゃんで、あとの三人はセフレってことで!」

「おまえらそれでいいのかよ……」


 四葉が笑顔でうなずく。

 先生も顔を赤らめて「ま、まあ……その……しばらくは……」と。


 豚はぶひぶひ何か言っていた。


「つーわけで、やろうぜセックス!」

「…………」


 俺は今まで、性行為をちょっと高尚なものとして見過ぎていた。

 女性をなにか、神聖なもんだって思っていた。


 でも違った。

 女の子も、性行為も、別にそんなたいしたことじゃなかった。


 過剰に神聖視しすぎるのも違った。

 性行為はコミュニケーションの手段の一個だ。


 女の子だって、男と同じ、性欲を持て余してるモンスターなのだ。


「亮太君、やりましょ♡」

「おまえ……いいのかよ?」

「ええ。もう亮太君の一番は、もらいましたので」


 彼女は前にみたいに、メンタルが弱ることはなさそうだ。

 セフレ×3とやろうとしてるのに、嫉妬してる様子も無い。


 ……では、俺は?

 そんなの決まってる。


「ああ、やろうか!」


 俺のやってることが、結構最低なことだってことはわかってる。

 本命がひとり居て、三人セフレとしてキープしてる状態だ。


 ヤリチンのクソ野郎だってことは、わかってる。

 だからなんだ。


 俺はヤリチンクソ野郎だ!

 もうそれは認めよう。自分を否定してても前には進めない。


 そんなふうに悩むより、俺は女の子たちを抱いて、みんなで幸せになりたい。


 これが倫理的によろしくないことなんて百も承知だ。

 しかし俺はこう思う。



 正しい人生なんて、この世には無いんだって。

 百人いれば百通りの人生があるだけなんだってさ。


 義妹ができて、いろいろあって、俺はそういう結論に達した。


 これからも俺は、気持ちいいことだけをしていこうと思う。

 誰にどういわれようと、構わない。


 俺は俺の人生を、歩んでいこうと思う。


 なぜならこれが、俺の人生だからだ。



《おわり》

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俺に甘えてくるヤンデレ義妹が、元カノの妹だった~潔癖症の恋人に振られた日、瓜2つのギャルが妹になった。今更もうやり直せない、君がさせてくれなかったこと全部してくれる小悪魔な彼女に身も心も奪われてるから 茨木野 @ibarakinokino

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