第3話 最期に会えなかった

 私、入居者様に、ご出身お聞きするのです。それは、個人情報が知りたいわけではありません。コミュニケーションをどのようにとるかの、手立てになるからです。


 私が住んでいる市町村と同じ入居者さんがおりました。

共通の話題、そういうことを考えて、その女性とコミュニケーションを図りました。


そうすると、喜んでいただけるのですね。だって、長年住んでいた土地のことですから。


先週末、私は、平熱よりすこし高い体温、職場の上司から言われ、CPR検査受け、一週間仕事を休みました。陰性でしたが。


休み明け、その女性の居室のプレートは外されてました。亡くなられてました。


こんなこと書くとおかしいと思われるかもしれませんが、


私は、もう少し、その方と一緒に居る時間が欲しかったのです。


車いすへの移乗の時、その女性は介助を受けながらでも、少しだけでも自力で立ちたいという気持ちを持っていた方でした。


私は、その方に、凄いね、素晴らしいとそんな言葉をお伝えしていました。

そして、その女性は、頑張りたいのだと私に話してくださいました。


わずかの間ですが、そのようにコミュニケーションをとっていた方が、自分がお休みしている間にこの世の人では無くなっているわけなのですね。


長すぎる長生きは、苦しいことが多い。そのような方がたくさんいらっしゃいます。


自分は、そんな苦しみは少ない生き方、死に方がしたいです。


でも、98歳まで生きて、なお、自分で立つという頑張りをみせてくださった。そのお母さんには、感謝しかないです。




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生きてること自体が辛い、長生きの現実 コタロー @coioja

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