エピローグ


「ねえみのりん、そういえばみのりんの元カレってどんな人だったの?」


 律華さんの部屋にて。


 起きたら千ちゃんたちはいなくて、連絡したら仲良く帰ったそうだったからちょっと休んで帰ろうと思ったところで。


 律華さんが聞いてくる。


「んー、しょうもないやつ。結局、抱かさなくてよかったーって感じ」

「ふーん、そうなんだ。でも、暴力なんていけないよね」

「ほんとに。あーあ、今頃二人でイチャコラしてるんかなあ。いいなあ」

「ふふ、みのりんは可愛いからそのうちいい相手、見つかるわよ」

「そっすかね。ま、今度コンパでも組んでもらおっかな」

「うんうん、そうだね」


 まあ、当分無理だろうけどね。

 次の恋なんて、なかなかね。

 うん、うちって案外一途なんよね。


「そういや、千ちゃんのグランマってなにもん? なんで先輩らのおうち助けたりしたん?」

「なんかおじい様から訊いたことあるんだけど、昔はすっごい有名な占い師だったみたい。もしかしたら、氷室家を助けることが、のちに生まれる孫の千寿君をたすけることになるって未来も、予見してたんじゃないかな」

「占いっすか。なんか千ちゃんの家系って人間離れしてるっすね」

「だね。ま、神楽も神楽であんなんだし、お似合いだよ」

「ですね。うちらはもっとまともな金持ち探しましょ」

「だねー」



「くしゅんっ!」

「どうしたみっちー、風邪か?」

「いえ、なんか急に」

「ふむ、私たちの幸せを妬んで誰かが噂しているのだろう」

「だとしたらあの人らしかいないですけどね」


 先輩と俺の部屋で。

 

 別に何もしてない。 

 くつろいで、テレビを見てる。


「……でも、もう一回あの母親に会うのは気まずいっすね」

「そんなの私も同じだ。しかしどのみち避けては通れん道だ。それに、みっちーとなら大丈夫」

「まあ、そっすね。俺も、せんぱ……神楽となら」

「うん。そうだ、キスしよう」

「相変わらずムードないっすね」

「じゃあ、電気を消せばいい。あと……今日は泊まっていくぞ?」

「……うん」


 おばあちゃんのこと、俺の身体のこと、先輩の家のこと。

 まだまだわからないことだらけでこれからどうなるかも不安ばかりだけど。


 俺たちはこれからもずっと一緒だ。

 それに高屋も、りっちーさんも、じいやさんも。

 みんなもいるから。


 こっからが、始まりだ。





 今度こそ、おしまい。



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学校一の美人と名高いクールな先輩は、どうやら俺の特異体質をお気に召してしまったようです 明石龍之介 @daikibarbara1988

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