第8話 メスガキ科学者のエッチな誘惑
「お兄ちゃん!!」
「ボーレ!!良かった……。」
「うんうん、良かったなあ。」
ボーレちゃんを見つけた兄のビンタ君がボーレちゃんを抱き締めて、その2人をモート爺さんがさらに抱き締めている。この2人だけは両親が駆け寄って来なかったから、ひょっとしたら孤児なんだろうか?
ビンタ君はモート爺さんを、おじいちゃんでなく、ただの師匠と呼んでいたから、多分血はつながっていないのだろう。
たからこうして両親の代わりに、モート爺さんが2人を心配して抱き締めているのだろう。ウンウン、ええ話や……。
号泣しているビンタ君に、俺はちょっとホロリとさせられていた。
「豚ちゃんが魔法で助けてくれたんだよ!
すっごく強くて、悪いひとをやっつけてくれたの!凄かったんだから!!」
無邪気にそう言うボーレちゃんに、村人たちが急にざわつきだす。
「魔法で……?」
「ロード・オブ・ヴァンパイアを、この豚が倒しただと……?」
ん?なになに、どうかした?
「まさかこの豚、魔物なのか……?」
女の子たちを俺から守るように、大人たちが後ろにかばって睨んでくる。
えっ。なんだよ急に。俺、みんなを助けたんだよ?そんな態度になる?
別にあんな奴全然大したことなかったし。
「みんな酷いよ!ボーレたちを助けてくれたんだろ!?なんでお礼のひとつも言わないで逃げるのさ!この豚がいなかったら、ボーレもみんなも、一生あいつらのところから、戻って来れなかったかも知れないんだぞ!
大人が大勢かかっても倒せなかったから、モート爺さんが危険をおかしてまで、ランド魚を取りに行ったんじゃないか!」
ビンタ君……。ええ子や……。
「そうだぞ!ビンタがこの豚に気付いて救ってやらなきゃ、この村はこの先100年娘を取られていたんだぞ!誰もそんな村に嫁なんて来なくなるだろうが!」
モート爺さんも吠える。
「つまり……、この豚はビンタに恩返ししたってことか?だから娘たちを?」
ん?
「ビンタ!よくやってくれた!
村はお前のおかげで救われたんだ!」
「えと、助けたのはモート爺さんで、僕は豚が流されてるのに気が付いただけで……。」
「ビンタ!おっきくなったら、うちの娘を嫁にどうだ?お前は前から見込みのあるやつだと思っていたんだ!」
「あっ、するいぞ!」
「ビンタは俺の娘と結婚するんだ!」
「ちょ、ちょっと、みんな待って……。」
「ビンタは将来魔物使いか?ガハハハハ。」
ええ……。
助けたの、俺なんですけど……。
女の子たちも、ボーレちゃんに似て可愛い顔立ちしてるビンタ君を、キラキラした眼差しで見つめている。おーい、俺ここですよ?
「──豚ちゃん。」
そこにボーレちゃんが、俺の前に来てしゃがんで笑顔とアソコを見せてくれる。まだノーパンのままだったな、そういえば。
「ボーレはちゃんと、豚ちゃんが助けてくれたってわかってるよ?豚ちゃん、将来ボーレを、お嫁さんにしてね?」
ボーレちゃあああぁん!!
うん!ボーレちゃんの可愛いアソコは、誰にもペロペロさせたりしないよ!
俺はボーレちゃんのスカートの中に潜り込んで、ボーレちゃんをペロペロしてあげた。
「あっ、やっ、やあん。くすぐったい。」
いーもーんだ!ここにいるどの子より、ボーレちゃんが1番可愛いもんね!
そこに、突然何かにガッシリと体を掴まれて、俺の体が突然空中に浮いた。
えっ?えっ?えっ?うわあああああ!
「豚ちゃん!!」
地上にいるボーレちゃんが、どんどんと遠ざかって行ってしまう。みんな驚いた表情で俺のことを見上げていた。
なんだ!?なにがおきてんだ!?
てか、痛ってええええ!痛い痛い痛い!
爪!爪が食い込んでる!俺の背中に!
俺の体はデッカイ首の長いハゲタカみたいな鳥に掴まれて、グングンと空を登って行くところだった。
なんなんだよ、コイツいきなり!
俺を食べるつもりなのか?
だけど首の長いハゲタカは、俺を山の上まで連れて行くと、いきなりドサッと地面の上に落っことした。痛ってえええ!
「よくやったわ、アシタカ。」
きれいな声がして顔を上げると、そこには絶対領域を有するニーソをはいた、意地悪そうなツリ目の緑髪ツインテール。科学者みたいな白衣を着てて、なんかキャラが渋滞してる感じのロリっ娘が、パンツを見せながら俺を見下ろしていた。
うーん、面積が少なくて切れ込んだ紐パンがナイスですなあ。分かってらっしゃる。
今すぐその紐を解いてあげたい。
いや……、ちょいと布をずらしてそのままっていうのも趣きがあって良いですなあ。
じっくりペロペロしてあげたい。
そんな俺の様子を見て、緑髪の美少女がニヤリと笑った。
「なあに?そんなに見たいの?
私のパンツの中身。」
ギクッ。
見、見てたのがバレとる。
いや、気にするな。だって俺、豚だもん。
見てたところで気にする人間なんていやしないのだ!
「ちょーっと言うことを聞いてくれたら、パンツの中を見せてあげちゃうかも♡」
えっ、えええええっ!?
な、なんだこの子は!
女の子がなんてことを言うのだ!
で、でも、見せてくれるって……。
ゴクリ。
い、いや、でも、言うことを聞けって言ってたぞ?どういうことだ?
俺みたいな豚に、お願いなんてあるわけないよな。うん。
言うことを聞けって、ようは捕まえられて食べられろってこったろ?やなこった!
ここは逃げるが勝ちだぜ!
踵を返した俺の後ろで、緑髪の美少女がニヤリとしながら何かのスイッチを入れた。
[ばいば〜い!]「ブッブーウ!(ばいば〜い!)」
俺の声が後ろから響く。
[えっ。]「ブッ。(えっ。)」
驚いて振り返る俺の目の前で、緑髪の美少女が手にした何かから、俺の声がする。
それも、人間の言葉で。
[な、なんだそれ?]「ブッ、ブッブウ?(な、なんだそれ?)」
やっぱりそうだ。緑髪の美少女が持ってる道具みたいな何かから、俺の声がしてる。
あれはいったいなんだ?
「あー、やあーっぱ、アタシって天才かもぉ♡こんな伝説の生き物の言葉まで翻訳出来ちゃうなんてぇ。」
緑髪の美少女はゴキゲンでそう言った。
[ほ、翻訳?お前まさか、カガクシャなのか?]「ブッ、ブィブゥッ?ブブブブイブ、ブブブィブッブウ?(ほ、翻訳?お前まさか、科学者なのか?)」
「カガクシャ?ナニソレ。
あんたの種族の言葉?
まだまだ改良の余地ありね……。」
となにやら言っている。
科学者を知らないのか?
[てか、俺、豚じゃねえし!]「ブイッ、ブブッ、ブイッブウ!(てか、俺、豚じゃねえし!)」
ハウリングしてるみたいで、やかましいなコレ!
「あーもー、うっさいわねえ。
頭で考えるだけでも聞こえるモードに切り替えるから、頭の中で話してくんない?
大人しく言うことを聞いたら、イイコトしてあげるんだけどなあ♡」
[イ、イイコト……?]
「そうそう、ちゃーんと頭の中で考えてね?
アタシにエッチなことしたいんでしょ?
オスってほーんと馬鹿ね♡」
[ほ、ほんとに俺の頭の中の声が聞こえてんのか?お前は誰なんだ!
とりあえず可愛いことしか分からねえ!]
緑髪の美少女はニヤリと笑った。
「ふーん、結構素直なのね。
なら答えてあげる。アタシはチェルシー。
この国一番の魔道具師よ。」
[魔道具師……って、なんだ?]
「魔道具師を知らないの?あんたが今話してる言葉を翻訳する道具だったり、色んな物を開発する職業のことよ。」
[ああ、カガクシャみたいなもんか。]
「さっきから言ってたそのカガクシャっていうのが、魔道具師のことなのね、言語リストに追加しとかなきゃ。」
そう言って何やらメモを取っている。
「てゆうか、さっきの、なに?」
[さっきの?]
「豚じゃないって、どういうことよ。」
[ああ、その話か。]
「てゆうか、あんた魔物でしょ?
アシタカにずっと監視させてたのよ。
動物タイプの魔物なのに、翻訳機なしで、人の言葉が分かるのね。」
チェルシーは面白そうにそう言った。
「百億頭に一頭生まれると言われる、食べれば不老長寿となる伝説のピンクの豚。
それが魔物だって説をアタシはとなえてるんだけど、あんた自分で自覚があんの?」
[そうじゃねえよ。俺、もとは人間なの!]
「……人間?」
[神様に転生させられて、なんの因果か豚になっちまっただけなんだよぉ!!]
「転生……?
神様に言われて……?
自分が勇者みたいに言うのね、あんた。」
[勇者じゃねえけど、世界は救えって言われたよ。だけど、こんな姿になっちまって、言葉も通じねえし、どうしろってんだ!って思って、開き直って世界を満喫することにしたんだ!可愛い子多いしな!]
ドヤッて言う俺に、
「神様に転生させられた異世界人の話は聞いたことはあるけど……。普通、豚にする?
ちなみにアンタを転生させた神様の名前ってなんなワケ?」
[確かコルレオーネ、とか言ってたな。]
「あーあ!駄女神コルレオーネね!
それならありうる話だわ。」
[ど、どういうことだよ!?]
「とりあえず、あんた、異世界人なのよね?
なら教えてあげるけど、この世界にはたくさんの神様がいて、たまーに人間の願いを叶えてくれるんだけど、駄女神コルレオーネにだけは頼んじゃ駄目なのよ。」
[え?]
「まともに願いを叶えたことがないの!
神様は人に祝福を与える存在だけど、いっつも変な叶え方するのよ。
あんたもその犠牲者のひとりってワケ。」
[な、なんだとおぉおお!?
だ、だからせっかくチートなスキルを貰えたってのに、こんな体になっちまったってのか……。くそおおぉ!!]
俺は地面に突っ伏して悶えた。チェルシーは嘆く俺を見てニヤリとすると、
「あんたが特別な存在だっていうのは分かったわ。アタシのお願いはひとつよ。」
[お願い?そういや、さっきもそんなこと言ってたな。]
「アタシはすべての魔物の言葉を翻訳出来る魔道具の開発中なのよ。あんたにそれを取り付けて、観察させて欲しいの♡」
[か、観察?]
「そう。あんたの話した言葉をデータで送らせたいの。
あんたのいる場所も分かる機能を取り付けてるから、いつでも回収できるしね。」
[お、俺のいる場所が分かるだと!?
なら、女湯に侵入したとしたら、それも遠くからお前に見られちまうってことか!?]
「そんなこと考えてたの?
ほーんと馬鹿ね♡」
[うっせええ!
それくらいしか、楽しみがねえんだよ!]
「けど、会話が通じる魔道具、欲しいでしょう?ほら、ここを押せば、あんたの言葉を人間の言葉に変えることが出来るわ。
元人間なら、この世界で生きるのに、言葉は大切じゃない?」
[そ、それは確かに……。
通じた方が助かるけど。
でも、喋る豚って怪しくねえか?]
「相手は選べばいいじゃない?
そのための切り替え機能よ?」
[そ、そうか、誰にでも聞かれるわけじゃないんなら……、いいのか?]
「それに、素直に付けさせてくれたら、エッチなこと、させてあげちゃうかもよ?」
そう言って、スカートをチラリとまくりあげ、パンツを見けつけてくる。
[くっ……!そ、そんな誘惑には負けん!
俺は自由に生きるんだ!
そして色んな女の子にエッチなことをするんだ!]
俺はこの場から逃げようとした。だけど。
チラッ♡
パンツを少し、ずらして、み、見え……。
ズルッ、ズルルッ。
か、体が俺の意思に反して吸い寄せられちまう!というか、美少女の誘惑に抗えない!
[くそおぉ!俺の唯一の弱点を!
こうなったら、とことんお前をペロペロさせて貰うぜ!!]
俺はチェルシーに飛びかかった。
──ベシャッ。
[あえ?]
「きゃあっはっは!ザーコ!!
引っかかった引っかかった♡」
俺は思いっきりチェルシーのキレイなおみ足に踏んづけられていた。
「あんたの好きにでもさせると思った?」
[う、嘘つきいぃい!!エッチなこと、させてくれるって言ったのに!!]
「させるんじゃないわよ。
──アタシがするの♡」
グリグリ、グリッ♡
[えっ、あっ、や、やめっ♡]
「ほらほら、こんなとこ踏んづけられてキモチイイの?ほーんと駄目なオスね♡」
チェルシーが妖しくほほ笑む。
[あっ、そんなっ。そんなとこ、らめぇ♡]
[アハハ、なさけなーい。
ガマン出来ないんでしょ?ほら、もっと、だらしのない顔見せなさいよ♡]
こんな酷い目にあわされてるのに、チェルシーから目をそらすことが出来ない。
[あ、足で踏まれてなんて……。
く、くそおおぉおお!!♡]
「ほらほら、オスブタらしく、6分間出し続けてみせなさいよ♡」
[無理ィ♡も、もう、助け……♡]
ピクッ、ピクピクッ。
俺は身動き出来ないまま、ぐったりと痙攣を繰り返していた。
チェルシーは俺の首に、しっかりとチョーカーのついた翻訳機をセットして、じゃ、ヨロシク♡と言って去って行ってしまった。
奴はとんでもない物を盗んでいきました。
俺の……性癖です。
開発された……。汚されちゃったよう。
豚に俺tueeeは無駄過ぎる〜伝説になりたいと言ったら伝説の食材に転生させられたが、チート能力で世界を救いつつ、なんとか生き延びて双子の王女に愛されて幸せにくらしたい〜 陰陽@2作品コミカライズと書籍化準備中 @2145675
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