第7話 ロードオブなんとかって言われても、チートの前には雑魚でしかない

「優勝したら今度は何をお願いしましょうかね。ロード様はなんでもかなえて下さる。」

「そうですな、領地など貰ったところでつまりませんからな。気に入った娘を1人、血族にでも変えていただきましょうかねえ。ロード様の血族の血は美味いですからなあ。」

 ──え?今なんでもって?


 てか、それって俺が勝つんでもいいのか?

 これが暇を持て余した貴族の遊びだってんなら、飛び入りの俺が優勝すんのも面白がってくれるかも知れない。

 何かヒントはないもんかな?

 俺は確かに下からお花畑を覗くことが出来るけど、さすがに本番は覗かせて貰えないだろうし、全員を覚えきるなんて無理だよ。


 うーん、なんかないか、なんか……。

 俺は女の子たちの周囲をぐるぐると回っては、女の子たちのアソコと体とを見比べた。

 駄目だ……。楽しいだけだな……、うん。

 ──ん?あれ?……あれって?

 え!?ひょっとして、あれって、あれとあれが同じなのか!?ええ……。これからはあれの見る目が変わるぞ、そうなると。


 俺は女の子たちのとある特徴に気が付いてしまったのだ。エッチで可愛らしい特徴に。

 そして俺は、俺を無視して坊主めくりゲームに興じるロードたちに、俺もゲームに混ぜるよう、存在を激しく主張をした。

 おい!お前たちは分かってねえ!この遊びをするんなら、こういう風じゃなきゃ駄目だろうが!!おもむきってもんがねえんだよ!


「──なんだ?豚がわめいているぞ?」

「前足を2本上に何度も上げて……、なんだっていうのだ?」

 ロードとその仲間たちが、俺の行動に注目しだした。もう少しだ!!

「──なるほど。そういうことか。おい、そこのお前。9番と25番の服を、もっと上までずり上げて胸元まで丸出しにするんだ。」


「は、はい!!」

 ロードに命じられた従者が、一度9番と25番の女の子の服をほどくと、下半身だけ丸出しだった女の子たちを、今度はオッパイまで丸出しの、つまり茶巾寿司状態に結び直した。うんうん、そうだよねえ。全裸の女の子にフレアワンピーススカート履かせてめくるんなら、オッパイまで出してあげないとね!


 俺は女の子たちの後ろ姿を眺めて、プリップリのオシリや、横チチ下チチを堪能する。

「なるほど、確かにこれはいい。」

「豚よ、分かっているではないか。」

「なんならお前もゲームに加わるか?」

 やった!女の子たち!すぐに助け出して、全身をペロペロしてあげるからね!


「プギイィイィ!!」

「おお、こやつやる気だぞ。」

「面白い。ならば豚よ、お前からやってみるがいい。お手並み拝見といこうか。」

 ふふふ。言ったな?すぐに後悔することになるぜ!何故なら俺は正解を見られる印を女の子たちの体に見つけてしまったからだ!


「プギッ。プギギッ!!」

「おい、11番と20番をめくってやれ。」

「はい!」

「ひいっ!!」

「いやああぁ!!」

「なんと!いきなり正解とは!

 なかなかやるではないか豚よ!」


「ブヒッ!

 プギギ!ブヒッ!」

「次は1番と9番だな。」

「やめてえええ!!」

「助けてえ……お母さーん!!うえぇん。」

「またまた連続で正解だと!?なんだこの豚は!!面白い、面白いぞ!!」


 ごめんね女の子たち。今は泣かれても、ただただ興奮します。本当にごめんなさい。

 俺は茶巾寿司にされたフレアワンピースの中で、シクシク泣いている女の子たちを見ながら、早くペロペロしたいなあ、おっきなオッパイをフミフミもいいけど、一口ッパイをパックンチョもいいなあ、と考えていた。


「プギギッ!プギー!」

「次、19番と28番。さて、今度はどうだ?まさかまた正解するのではあるまいな?

 もしも正解するのであれば、こやつは本当にこの遊びに関する才能があるぞ。」

「あっ!やっ!いやあっ!」

「見ないでえ。グスングスン。ヒック。」


「……なんと、やはり正解だ。」

「それにしてもこの姿は愛らしい。これからは毎回こうすることにしよう。」

「さよう。このままで連れ帰るのもよいでしょうな。早く楽しみたいものです。」

 させねーよ?お前らには今だけ特別に見せてやってるだけだからな?


「次は8番と……。なんだ、どうした?分からないのか?降参するか?」

 ためらっている俺を見て、ロードが楽しげに笑っている。ちっげーよ!分かるよ!分かるけどさ!……ボーレちゃん、ごめん!もう他にパイ○ンの女の子がいないんだ!!

 俺は最後に並んだボーレちゃんをさした。


「──30番。まあ、この子は年齢的に確実だな。つまらないから1番最後にしたということか?ますます面白い豚だな。」

 ちっげーよ!他にいるなら、ボーレちゃんのはお前らに見せたくなかったの!!

「いやっ!やめて!ああっ!!」

「え?え?なに?え?」


 オッパイのおっきな女の子と、何をされているのかすらもよく分かっていないボーレちゃんの、ワンピースのフレアスカートがバッとめくりあげられる。おい!そこの従者!!お前ロリコンだな?ボーレちゃんの時に1番ヨダレたらしそうな顔しやがって!!

 その子は俺んだ!俺が決めたんだから俺のなんだよ!!あんま見んな!!


「プギギ!!プギッ!プギィッ!!」

「なんだ?なにをわめいておるのだ?」

「これで全員、ということではないのか?」

「……確かに。そうだとしてもおかしくないだろうな。よし、全員のスカートを順番にまくれ。他にいないかを確認するとしよう。」

 ロードの指示で従者が女の子たちのスカートを順番にまくっていく。


「なんと……!!」

「おお……。」

「──本当にこれですべてだとはな。」

 ロードたちが驚愕した表情で俺を見てくるが、俺は簡単な手品をしただけさ。カードにつけられた印を見て、正解を伝えるだけの、ただのイカサマ手品をな!!


 俺は気が付いてしまったのだ。女の子たちが付けさせられた、ロードとおんなじ風邪用マスクの耳のところ。ボーレちゃん以外はかなり前にさらわれてたと言うから、ずっと風邪用マスクをつけさせられてたんだろう。ゴム紐がすれて耳にシミが出来ていることに。

 ──そう。パンティーも風邪用マスクも、おなじくゴムを使っているのだ。


 おまたのところがすれて色素沈着するのと同じく、風邪用マスクのゴム紐を長いことつけさせられた耳が、すれて色素沈着していたのだ。それが女の子たちの大事な部分の土手の色と、まったくおんなじ色をしてたのだ。

 俺はただ、パイ○ンの子は耳の後ろがこの色だな!と、目印代わりに覚えただけだ。


 ヤベエよ……。俺ヤベエことに気付いちまったよ……。これから風邪用マスクのゴム紐ですれた耳の部分の色素沈着度合いを見るたびに、ああ、あの子のはこんな色なんだあ、って思うこと不可避だわ。エロいわあ……、女の子って、なんで存在がこんなにエロくて可愛いんだろうか。全員今すぐ助け出して、俺のものにしてあげるからね!


「プギッ!プギギッ!」

 俺はロードをじろりと睨んで、女の子たちの前に立ちはだかるように、精一杯おっかなく見えるよう、両手両足をふんばった。

「──お前の望みは、この娘たち全員、ということでよいのか?」

「プギギッ!!」


「ふっ。いいだろう。お前は優勝したのだ。なんでも願いを叶える約束だったな。娘たちはお前にやろう。おい、娘たちを開放しろ、城の外に連れて行く。」

 ──やった!全員俺のもんだ!!

 え?助けるとは言ったけど、俺のモンにしないとは言ってませんが、なにか?


 女の子たちは、ワアアアッ!と歓喜して、家に帰れるの?と口々に言っている。茶巾寿司状態をとかれた女の子たちは、泣きながら抱き合っていた。おうちに帰してはあげるけど、エッチなことはちゃんとさせてね?

 人間何かして貰ったらお礼がきちんと出来るかどうかって大切だからね?恩人を手厚く扱うってどういう意味なのかは分かるよね?


「豚ちゃん、ありがとう。」

 ボーレちゃんがしゃがんで笑顔で俺に手を伸ばしてくる。ボーレちゃん!良かったね!これで名実ともに俺のものだね!!

「えっ?あっ、やあん、豚ちゃん、なあに?

なにしてるの?くすぐったいよぉ……。」

 あー、ボーレちゃん、可愛い可愛い!!


「おいそこの豚、何をしている。この城を出ていくのであれば早くしろ。」

 ボーレちゃんをペロペロしていた俺に、ロードがそう言って、外に出るよううながす。

 チッ!全員ひととおりペロペロしてから出ようと思ってたのに!まあいいや。あとでゆっくりと全員まとめて……。ゴクリ。


 城の外は広い庭だった。それにしてもデッケエな!この城は!石造りで頑丈そうで、古めかしくて、いかにも城って感じだ。見るからになんか化け物がいそう。実際化け物が住んでたけど。こいつら多分吸血鬼かなんかだろ?血族とか、血を吸うとか言ってたしな。

 全員が城の外に出て、俺の後ろに集まった時だった。「──さて。」


 ロードが着ていた重そうなマントを、バッサァ!とひるがえす。

「娘たちはお前にやった。城からも出した。

 だがこのまま帰すとは言っていない。」

 ふん、そうきたか。

「……お前は実に面白い豚だ。楽しませて貰ったよ。だが、娘たちをむざむざ家に帰すのであれば、ここで始末させて貰おう。」


 女の子たちの悲鳴が聞こえる。

「豚ちゃん……。」

 ボーレちゃんも心配そうだ。

「ロード・オブ・ヴァンパイアたる俺に逆らえるものなどいないのだ!!」

 安心してボーレちゃん。君たちはもう俺のものだ。──俺のものは、俺が守る。


「深淵なる叡智を知るものよ、我が覇道を拒む愚か者に鉄槌を。紅き血族の名において、我が命ずる。眼前のすべてを根絶せよ。

 ──バーミリオンクラッシュ!!」

 赤く光る拡散する波動が、真っ直ぐにこちらに飛んでくる。波動と覇道がかかってんのかな?どうでもいいけど。


 ──ペイン。

 ピューン。

 ドゴーン!!!!!

 パラパラパラパラ……。

「な、な、な……。

 ぶ、豚が弾いた、だと……?」

 ロードたちは驚愕の眼差しで俺を見る。


 俺はただ、ロードの魔法を反射魔法で弾いただけだ。まさにペイン、って感じに軽く。

 それが吹っ飛んでロードの城壁に激突し、ロードの城は大きくえぐれてパラパラと一部が崩れ落ちた。なかなかえっぐいなー威力。

 つうかそれ、ロング詠唱魔法?ふうん、そんなの使うんだ。はん、なら見せてやるせ、本物のロング詠唱魔法ってやつをな!


 ──黄昏よりも昏きもの。

 血の流れより紅きもの。

 時の流れに埋もれし偉大なる汝の名において、我ここに闇に誓わん。

 我等が前に立ち塞がりし、すべての愚かなるものに、我と汝が力もて、等しく滅びを与えんことを!


 俺はプルダウンから魔法を選択し、前足で押した。──あ、ポチッとな。

「ブブブブブィブ(ドラグ○レイブ)!!」

「こんな……、我らがこんな豚程度に……。なんのこれしき……。うわあああぁああ!!」

 なんかわめいていたけど、俺の魔法を防ぎきれずに、ロードとその城は、跡形もなく吹っ飛んでしまったのだった。


 テヘッ☆張り切り過ぎちゃった。


 見たか!一言一句たがえず暗記した、俺の中二病魔法の威力を!!

 本物のロング詠唱魔法ってのは、こうやるんだぜ!!

 俺はドヤ顔で顎を上げてふんぞり返った。

 女の子たちが歓声をあげて俺に集まり抱きついてくる。く、くるしい……。


 帰る方向が分からなかったんだけど、そこは残った従者を脅して案内させた。俺の実力は目の当たりにしてたから、従者は大人しく従った。村に戻ると、女の子たちの姿を見つけた村人たちが、泣きながら走ってくる。

 お母さん!お父さん!と言いながら抱き合う姿に、ちっともエッチなことをさせて貰える雰囲気じゃないな……。と思っていた。


「ようやく見つけたわ。

 ふーん。面白いじゃない。」

 そんな俺を木の上から見下ろす1つの影。絶対領域を有するニーソをはいた、意地悪そうなツリ目の緑髪ツインテール。科学者みたいな白衣を着てて、なんかキャラが渋滞してる感じのロリっ娘が、太い枝に腰掛けて、足をプランプランさせていた。

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