第6話への応援コメント
ごきげんよう、完結おめでとうございます。
運命の15時34分。
今は亡き奥様の指輪と共に、お嬢さんの手を握り締めることができましたね。
作中では結末は触れられていませんが、逆にそれがとても(私にとっては)希望の光る結末だったように思えて、思わず肩の力を抜いて吐息を零してしまいました。
返却されたジャケットから出てきた指輪、入れ子構造の機内でお嬢さんの手に渡された、その事実。
一人生き残った彼の席には戻れなかったけれど、今はお嬢さん、そして奥様とも一緒に迎えた運命の時刻。
思わぬ事故で何もかも無くして、苦しくて哀しくて動かぬ身体に苛立って、けれど太一さんの一言、やれることはやったほうが良い、後腐れがないように。
当事者からすれば無責任な他人事のように聞こえるかもしれませんが、ある意味正鵠を突いている言葉ですよね。結果はどうあれやれるだけ、やる。
結果が重要なはずなのに、やれることをやらないと、というのは本能的な、人間としての「情」だと思いますし、それこそがリハビリで、そして機内で、彼を走らせた原動力なんだろうなと思っていました。
深く静かな、でもとても素敵で不思議な物語を、ありがとうございました。
作者からの返信
最後までお読みいただきありがとうございます。
実は最初、このお話の着地点が見つからず、どうしたものかと懊悩していたんですが、結果よりも実はそこへ向かおうとする過程や、そこに至る意思みたいなものを自分は称賛したいと思い、このような決着の付け方をさせてもらいました。
このエンディングの先に答えはありません。ですが、その先に希望を感じて頂けるような物語作りが出来ていたのであれば、最後まで書ききった甲斐があります。
本当に素敵なコメントをありがとうございました!
第5話への応援コメント
ごきげんよう、酸欠による歩みの不自由さと、リハビリを開始したばかりの歩みの不自由さがシンクロしてるんですね。
ますます機内と病院、どちらがどちらなのか、精神状態まで混乱してしまいますよね。本当に不思議で複雑な入れ子のガジェット。
娘さんに辿り着き、その腕に抱き締めてかつて自分が助かった座席へ戻る、今はただその一点だけが彼の足を動かして、横柄な客室乗務員に抗うことができたのですね。
ただ、この複雑な入れ子の世界で、その行為がどんな結果を招くのかと考えると、胸がどきどきしてしまいます。
次回が最終回でしょうか、投稿お待ちしていますね。
作者からの返信
閲覧ありがとうございます。
主人公の取った選択と、その目的は果たして達成し得るのか、次回最終回を是非、ご期待ください!
第4話への応援コメント
ごきげんよう、そうか、奥様は病気で亡くなられて、それで娘さんとふたり海外へ。
胡蝶の夢、それよりもタチの悪い、物凄いリアリティを伴った現実遊離感が、本当に眩暈を誘うようですよね。
そんな中で、リハビリ、機内、それぞれを現実だと腹を括ることが出来たのは、ひょっとしたらこの気持ち悪さから脱出したいから、そんな思いもあったのかしらと思ってしまいました。
酸素に味がある、生きている実感を感じたと言う表現なら、凄く素敵な描写だな、と思いました(なんだか小学生の感想文みたいで、ごめんなさい)。
作者からの返信
閲覧ありがとうございます!
酸素の味の描写を上手く汲み取って頂き、とても嬉しいです!
様々な事実と直面した時、人がどういう行動をとるのか、是非最期まで見届けてください!
第2話への応援コメント
ごきげんよう、明晰夢というにはあまりにも不思議なリアリティと質感のある夢、そこまでいけば最早現実なのでは? タイムリープなのか、それとも予知夢なのか、飛行機の中が過去の記憶なのか、じゃあその時に見たリハビリの風景は何?
気が狂ってしまいそうになる記憶と精神の入れ子構造が、読む者をも不安にさせますね。でも、娘さんが拘ったお母様の指輪、お母様がどうなったのか、それがひとつのリアルへの取っ掛かりのような気もしてきました。
作者からの返信
お読みいただきありがとうございます。
これから一層謎が深まり、主人公がこの現象とどう向き合っていくのかがポイントになりますので、是非その辺もご注目ください!
第6話への応援コメント
太一の存在が良いですね。
深い悲しみに沈む主人公の心に、道標を示す天使ようでした。彼の存在なくして主人公のあのラストはなかったように思います。本当にいい物語でした。
そして。
儚いけれど──家族との失った時間を取り戻した、喜びのラストだと信じたいです。
作者からの返信
閲覧ありがとうございます!
主人公の背負っている物があまりに重いので、それを支える太一は出来るだけ軽く、そして優しくのほほんとしていてくれた方がいいと考え、こんな感じになりました。
なにが幸せかという命題に答えはありませんが、なにか心に訴えかけるものがあれば幸いです。