ごきげんよう、完結おめでとうございます。
運命の15時34分。
今は亡き奥様の指輪と共に、お嬢さんの手を握り締めることができましたね。
作中では結末は触れられていませんが、逆にそれがとても(私にとっては)希望の光る結末だったように思えて、思わず肩の力を抜いて吐息を零してしまいました。
返却されたジャケットから出てきた指輪、入れ子構造の機内でお嬢さんの手に渡された、その事実。
一人生き残った彼の席には戻れなかったけれど、今はお嬢さん、そして奥様とも一緒に迎えた運命の時刻。
思わぬ事故で何もかも無くして、苦しくて哀しくて動かぬ身体に苛立って、けれど太一さんの一言、やれることはやったほうが良い、後腐れがないように。
当事者からすれば無責任な他人事のように聞こえるかもしれませんが、ある意味正鵠を突いている言葉ですよね。結果はどうあれやれるだけ、やる。
結果が重要なはずなのに、やれることをやらないと、というのは本能的な、人間としての「情」だと思いますし、それこそがリハビリで、そして機内で、彼を走らせた原動力なんだろうなと思っていました。
深く静かな、でもとても素敵で不思議な物語を、ありがとうございました。
作者からの返信
最後までお読みいただきありがとうございます。
実は最初、このお話の着地点が見つからず、どうしたものかと懊悩していたんですが、結果よりも実はそこへ向かおうとする過程や、そこに至る意思みたいなものを自分は称賛したいと思い、このような決着の付け方をさせてもらいました。
このエンディングの先に答えはありません。ですが、その先に希望を感じて頂けるような物語作りが出来ていたのであれば、最後まで書ききった甲斐があります。
本当に素敵なコメントをありがとうございました!
太一の存在が良いですね。
深い悲しみに沈む主人公の心に、道標を示す天使ようでした。彼の存在なくして主人公のあのラストはなかったように思います。本当にいい物語でした。
そして。
儚いけれど──家族との失った時間を取り戻した、喜びのラストだと信じたいです。
作者からの返信
閲覧ありがとうございます!
主人公の背負っている物があまりに重いので、それを支える太一は出来るだけ軽く、そして優しくのほほんとしていてくれた方がいいと考え、こんな感じになりました。
なにが幸せかという命題に答えはありませんが、なにか心に訴えかけるものがあれば幸いです。