たかが詩じゃないか

詩音 悠

『新宿心中』

新宿は眠らない街 欲望が渦巻いて

乾いた心が 彷徨うよ

お前との出会いもここさ

長い影尾を引いて

ネオンの光に 照らされて

あゝ 闇の中で溺れかけてた

荒んだ俺の心 抱きしめてくれた

俺の嘘にも驚きもせず

ほほえみ忘れず見つめてくれる

あゝ お前を二度と泣かせたりはしないよ



新宿を彷徨う人は 悲しみを背負ってる

乾いた都会の 荒野だよ

幸せの意味など知らず 


何もかも許せずに


卑しい獣に なっていた

あゝ 闇の中でもがき続けた

狂った俺の心 抱きしめてくれた

すべてを分かり合えなくていい

何も言わずに側にいてくれ

あゝ お前がいれば明日などこなくていい



新宿で生きるしかない この街が故郷さ

乾いたため息 つくけれど

優しさに飢えて生きてた

背伸びしてがむしゃらに

蔑む瞳に 傷ついて

あゝ 闇の中に絡みとられた

ちぎれた俺の心 抱きしめてくれた

繋いだ指を離しはしない

こんな俺でも 愛してくれる

あゝ お前にならば命預けてもいい

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