第一次宇宙間大戦

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第1話(プロローグ)

 時は2532年、これは今から約500年後の宇宙で起こった話である。


 そしてその時代では、

 ロシアは32年前に崩壊して西ヨーロッパも領土に含む東欧スラヴ大帝国と名前を変えている。

 しかし東方の領土は、

 第三次世界大戦により日本に領土を取られている

 社会主義体制は今も変わらない。


 アメリカは37年前に起きた第三次世界大戦により旧ロシアに勝利。

 連合国側であり、戦勝国である、 日本 韓国 インド ドイツ イギリス オランダは戦勝国となり、

 韓国はロシア側についた北朝鮮全土を領土とし、

 日本は東ロシア東中国、

 インドは西中国を領地とすることになる。

 アメリカはこの時代でそこまで権力がないために、十分に植民地を取ることはできなかった。


 しかしこの戦争で核が使われることはなかった。

 やはり過去に同じ状況に置かれたことのある日本が戦争に参加していたというのが理由の一つである。


 この戦争で用いられた攻撃スタイルは主にサイバー攻撃と武力攻撃である。

 初めの二年間はロシア側が武力で周辺国をねじ伏せていたが、

 日韓の協力により、その時代ですらあり得ない機能を兼ね備えたハッキングに特化したコンピュータを生み出すことに成功したのである。


 それにより戦況は逆転。


 今まで優位に戦争を進めていたが、

 政府の中枢サーバーのハッキングにより、ロシア中に混乱を招く事態に、

 そして国民の政府への不信任感は高まり、2500年4月7日第二次ロシア革命勃発。


 これによりロシアは降伏。

 同年6月23日北朝鮮降伏

 それに続くように27日中国降伏。


 よって第三次世界大戦は終結した。


 7月7日、

 トルコ、アンカラでアンカラ条約締結。

 これによりロシアは、領土の東部及び千島列島を日本に明け渡す。

 北朝鮮は、全土を韓国に併合。某独裁豚の子孫は庶民の前で処刑された。

 中国は領土西部をインドに、

 そして東部を日本へ併合。

 これにより、長年政府の差別的対応に苦しんできた新疆ウイグル自治区人々は、インドの統治下に入り、暮らしやすくなった。


 一方アメリカ及びその他の欧米諸国の多くはロシア軍の空襲を受け撃沈。

 ニューヨークやワシントンD.C.、

 ロサンゼルスなどの主要都市を失ったアメリカはかつての力をすっかり失ってしまったのである。


 この戦争での死者はおよそ2億3000万人にも及ぶ大変悲惨なものであった。

 そのうちアメリカの死者は1億6000万人、

 ロシアの死者はおよそ4000万人である。


 しかしこの時代の人口はとてつもないものである。


 アメリカ合衆国  7億8300万人


 元ロシア連邦   3億1500万人


 日本国      4億9700万人


 元中華人民共和国 19億1000万人


 インド      24億5200万人


 大韓民国     3億300万人


 朝鮮民主主義人民共和国 9000万人


 その他の国    104億9400万人


 世界中でベビーブームが起こったことにより、

 多くの国が人口爆発を引き起こしている。

 特に、日本の勢いは凄まじいものであり、2000から2150年の間日本は人口減少が問題視されていた。

 2005年のピーク時の1億2800万人から2150年までで人口はおよそ5000万人ほどとなっていた。

 しかし、この人口減少に歯止めのかからない状態であることに危機感を覚え、対策を取ったのが日本政府である。


 その対策の内容は、子供一人出産すれば、5年に一度100万円がもらえるとのことであった。

 これにより2180年には人口は9000万人に回復し、ピーク時の1億2800万人を越したのはわずかその20年後のことであった。


 これにより、日本含むその他の国々は、働き手が増えたことにより、それぞれの産業はどんどん発展し、技術が発達していった。


 特に後の戦勝国となる国は著しい発展が見られた。

 アメリカでは、未だにApple社が新型iPhoneの開発に力を入れている。

 今となっては世界のiPhone普及率はおよそ73%と言われている。


 韓国ではテレビや洗濯機などの生活に欠かせない電化製品の開発に力を入れている。


 また日本では、空気をエネルギーとする技術が開発されたことにより、

 世界中の発電機関や車などに導入されている。

 その他鉄道などの開発も今尚進んでおり、東海道新幹線の時速は最高1200km/hにも及ぶ凄まじいものとなった。

 これにより東京〜大阪間の移動にかかる所要時間は約25分となった。

 よって大阪から東京の会社に通勤する。なんてこともザラにあり得てしまう時代になったのだ。


 しかし、世界で人口が爆発的に増えてきていることにより一つ問題がある。

 その問題とは、

    「食糧難」

    に陥ってしまうことである。


 人口が増え、さまざまな技術が発達したこの世界でも、アフリカ北部や、

 アジア中東地域の難民は増え続ける一方である。

 世界の難民の割合はおよそ8%と言われるが、この地域の難民の割合はなんと脅威の43%にも及ぶと言われている。


 もはやこの地球で食糧を賄っていくのは不可能となってきた。


 月にも農園を作った人類ではあるが、

 それにもやはり限度がある。

 そして人類はあることを思いつく。

「他の星に人類の一部を移住させてしまうのはどうだろうか。」と。


 その話が浮かんだ直後に太陽系から約34光年離れたところに知的生命体の存在する天体を人類は見つけた。


 人類はその星を相手に戦争を仕掛けることにした。



 これが人類の最大の危機を招くとは知らずに…


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