エピローグ

夢で遭いましょう

「かんぱーい」


 あたしは達は計画通り、コロナに宇宙旅客船の中に転送して貰って地球への帰路に就いた。


 惑星『パピル』はナノ・マシンを無力化する事が出来次第、封鎖を解かれることになるが、それまで生徒会長達は、星から出ることを結えるされず、パピルで暮らす事に成るそうだ。ナノマシンを無力化する技術が開発されるまでにかかる時間は一般的に言われてる説によると何十年単位になるらしい。だから、事実上、生徒会長たちは一生をパピルで終えることになる。

 それが幸せなのか不幸なのかは、その時間を過ごしきるまでは分からない。短い時間だったが住んでみたあたしの感想は、決して住みづらい星ではないというものだからだ。


「普通だったら、お前さん達も、パピルに足止めだったんだからな」


 あたし達の一件は、恭一郎が裏から手をまわしてくれたらしく、全員おとがめ無しということになって地球へ入る事が許された。流石は優秀な公務員、根回し術にけているということは認めてやろう。ま、あたしたちよりは大人だってことなんだろうな。


「はいはい、分ってますってばさ、感謝してますよ、恭一郎様」


 上機嫌なあたしに皆の視線が集まる。旅客船のバーラウンジに集まってあたし達は打ち上げの真っ最中だったのだが、連邦警察の恭一郎が居る関係でアルコールは御法度の筈だった。

 が、こんな目出度めでたい時に、呑まなくてどうするんだってな勢いで、あたしはアルコール入りのカクテルを世間の目をはばからず、豪快ごうかいに呑んでしまったのだ。


「良い度胸じゃねぇか…」


 恭一郎は、あたしの首根っこを掴むと、そのままあたしの自室に連行。そして、そのまま三ヶ月間監禁される羽目となったのだ。調子に乗りすぎるのはイケない事だと、心から思ったが、反省だけで終わりそうである。あたしは悪の限りをつくすのだ。人生を指図されるなんてまっぴらだ。

 そう、この方針だけは絶対に曲げない。たとえ両親が何を言おうと、教師が何を言おうと、世間が何を言おうとだ。それが人生だ、素晴らしいじゃないか。あたしは一生、自由に生きるのだ。


 夢で遭いましょう ~end~

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夢で遭いましょう 神夏美樹 @kannamiki

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