流れ弾

加藤旭

第1話

「ねーまた男子が喧嘩してるよ。」

「うっわ、本当だ。他所でやってよねえ。」


このクラスは四十人くらいいる。


あんまり治安が良くないこのクラスは年中喧嘩してる。

仲裁に入る教師はいない。なぜならこの学校、先生、教師がいないからだ。


「おい!てめえ!このやろう!」

男子二人が喧嘩している。もともと仲が悪いようだが、今回は掴み合いになっている。

このクラスは自習が全てだ。

音楽をやっている人、小説を書いてる人、絵を描いてる人、数学ばかりやってる人、スポーツばかりやってる人などいる。


だいたい喧嘩してるのはスポーツをやっている人だ。


このクラスでリーダーが一人いる。


正式にはリーダーという役割はないのだが


自然とこいつは怒らせてはダメだというやつがいる。


それは小説を書いている、Aくんだ。


Aくんはほっそり切れ長の目で、集中力がすごい。

見た目も華奢だが引き締まっていて、女子人気はダントツだ。

音楽をやってるKくんと大の仲良しで、よくイチャコラしてる。

その度、女子がもりあがった。


Aくんは毎日大量の創作物を書いては発表している。ベストセラーにもなっている。


Aくんだけはみんな自然と邪魔しないようにしていた。

クラスの中でもとびっきり優秀で、彼の脚本のファンがこのクラスにも多い。

特に女子。



「ねぇ、男子。喧嘩ならよそでやってよ。まったく。Aくんの邪魔だけはしないでよ。」

絵を描いている、Bさんが声をかけた。


「・・・。」

きく耳無しだ。


「あ!」


すると、吹っ飛ばされた、男子が、Aくんの机を吹き飛ばした。


彼の使っていた、パソコンが、床に落ちる。液晶が割れた音がした。


Aくんには当たっていなかったようだが・・・。


「あ、わり・・・。」


さすがに男子も申し訳なくなったのか、謝ろうとしていた。


「・・・。」


Aくんは今まで見たことない顔で、そいつを睨んだ。


彼を掴み上げ、喉元をしめた。


「・・・。」


Aくんは何も話さない。


90キロはある男子が片手で持ち上げる。


彼の首は強烈な力が加わり、顔は青くなっている。


「・・・。A。ほら、俺の予備PCあるから。データ共有してるから大丈夫。」


「K・・・。」


Aくんはそいつをはなした。


彼はほぼ仮死状態で、ピクピクしている。


「きゅ、救急車よぶね・・・。」

医療系を学ぶ同級生がささやいた。


「AのPC、改造していい?余ったパーツで試したくてさ。」


CくんがAにかけあった。この子はPCエンジニアだ。


「あぁCくん。頼むよ。」


「おっけーおっけー。またAに合わせてチューンするよ。っひっひっひ。」


「ちょうどいいや。こいつで新しい蘇生薬試していい?」


Dくんは薬のプロフェッショナルだ。なんか嬉しそうだ。

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流れ弾 加藤旭 @akira69

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