第4話 風俗嬢マイとデート
マイから連絡があった。
ネットワークビジネスの勧誘だったが、
もうヤルことも会うこともないだろうなと諦めていたところでに、
マイのファンであった龍吾にとって、
お店以外のマイに会えることだけで嬉しかった。
風俗での姿を思い浮かべ、下心がけっして無かったわけでもない。
『何かあるかもしれない』
男なら、そんな淡い期待をしてしまう。
なんと悲しい生き物か。
しかし、そんな淡い期待は抜きにして、風俗までしなくても、
シングルマザーに負担をかけずに、豊かに生きられる社会であって欲しい。
そんなまっとうな気持ちから、純粋に新しい仕事を始めたマイを応援したかった。
だから仮にネットワークビジネスを契約することになろうとも、マイを落とすためではなく、純粋にマイを想う気持ちから、契約してしまおう。そんな覚悟もあった。
2/17(土)銀座Billsにてはじめての店外デート
待ち合わせは比較的自宅の近いところだったが、車で都内へ。
マイのOL姿を見て、思わず息を飲む。
風俗での派手なメイクとは違う、素に近いナチュラルメイクでもかなりかわいい顔をしている。
お店の顔とOLの顔の両方を知っているのは俺だけだろうな...
そう考えると、ちょっとだけ特別感。
後で聞いたら、2、3人の信頼できるお店のお客に声をかけたと言っていた。
しかし、『契約する代わりにやらしてくれ』だったらしい。
センスの無い反応にショックを受けていたが、やはり人間をも商品として扱うような、今の貨幣経済の根が深いのだと龍吾は感じた。
しかしそんな中でも躊躇せずに30万ほどの代理店ビジネス契約をすんなり交わしたのは自分だけだった。
これからマイの言われるがままにいろんな契約をしていき、借金まみれになり、身を落として行く龍吾の姿があるのだが...
そんな世界線とは別に、
現実世界とは違う世界では、大きな変革が訪れていた。
世界中の王様が一同に介し、世界会議が行われている。
議題は『文明を存続させるかどうか』
過去には6回の文明消失があったという。
まさに『ノアの方舟の時代』が今なのである。
営業マン白崎龍吾と、ノアの方舟がどこでつながってくるかは、後のお楽しみである。
AIがライバル ドラゴン西 @nishino05
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