第二十三話 エピローグ


「というわけで、今回の魔族のきな臭い動きというのは、王女出奔に伴う捜索活動でした」


「なるほど」


「詳細は報告書にまとめてありますので、ご確認をお願いいたします」


「よくやった。初ミッションは無事クリアだな」


「ありがとうございます」


 これで生き残ることができた。


「いやー本音を言えば、あの破壊僧を連れて任務達成なんて絶対無理だと思っていたが、なんとかなるものだなぁ」


 上も相当驚いていたぞ、と続けられた言葉にピキリとくるものがあったが、まあ耐える。もうミッションも終わったことだし、アニーとはこれでオサラバだ──そう思っていた時期が僕にもありました。


 ボスはいい笑顔でこう言った。


「上からお前とアニーを正式なコンビにするよう命令がくだった」


 は?


「これからも破壊僧とバディを組んでばんばんミッションをこなしてくれ」


 唖然としたのも束の間、僕は超絶いい笑顔でこう切り返した。


「断固として──お断りいたします」


「上からの厳命だから。命が欲しかった言うことを聞いといたほうがいいぞ」


 こうして、奴隷に落とされた僕が大往生するための苦難はまだまだ続くのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

チート無し転生ですが生き残れますか? 宮原陽暉 @miya0123456

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ