どうしてこうなった?

@mamegen

あん

私の名前は佐倉 湊。キャピキャピの女子大学生に憧れる陰キャだ。

私はとある和菓子店でバイトをしている。何より由緒正しき処だから時給が高い!のだ

これはある日の一日のお話

このお店には飲食スペースで食べれるところと商品を買うスペースがある。私は基本的にはレジ担当なので接客はしない。

私は新しく出来た羊羹とどら焼きを運んでいた。この店のウリはごろっとしたつぶあんが入っていることだ。餅やスポンジのようなやわらかい生地にゴロゴロとした粒々のあんこはとても美味しいのだ!中でも最中さんどが大人気だ。

「いらっしゃいませ。」

今日もまた人がやってくる。それぞれお茶立ったりお菓子だったり買っていく。

この空間平和だなぁ

それは一時の間だった。

暖簾をくぐったのは赤髪のヤのつく人だった

女子校でぬくぬくと育った私は思わず怯む

「い、いらっしゃいませぇ.」

ヤはショーケースを暫く眺めた後に発した。

「こし餡ないの?」

シーンとなる店内。このお店でこし餡というワードはもはや御法度である。なぜなら、

『お客様、すみませんが本店はつぶあんしか取り扱っておりません。』来てしまった。店長だ。こし餡を嫌いつぶ餡と共に生きている。そしていつもは優しいのに目が笑っていない...

「えー、ぼくあのツブツブじゃあないのがいいなあ」ヤは言う

人生終わったなお前

『それならば、そのツブツブではないのが売っているお店に行って下さい。』店長がキレた。

「ボクはここのお菓子は好きだけどツブツブじゃあないのが好きなんだよ。」

『はあ、そんなに言われるのでは仕方ない。

いいですか、あんこというのはそもそも小豆という豆から出来ているのです!豆ですよ、豆!だからですねあんこというのは豆でなければならないのです』

始まってしまった...店長名物?の餡説だ。

これが始まると長い。ヤくんでさえも驚いている

「知るかよ、こし餡だろ!」

『いえ、あんこは粒です!ねえ湊ちゃん?』

は?おい人を巻き込むんじゃねえよ店長。こっちはなお前のせいで遅れている業務をカバーしてるんだぞ。なんなんだよ。テメーは粒じゃないと生きてけないならとっとと死ねよ。

「オイ、ねえちゃん。こし餡だよな?」

お前もかよ知るかよそんなの人の勝手だろ。

いちゃもんつけるならとりあえず商品を買ってくれ。そして人を巻き込むな






どうしてこうなった?

私はこし餡派だ!








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

どうしてこうなった? @mamegen

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ