才能の無い僕らは

Soh.Su-K(ソースケ)

Prologue

 真夜中に月が沈む。

 薄っすらと光っていた雲もいつの間にか消えていた。

 夜空がいっそう暗くなる。

 その暗黒から、今まで見えなかった無数の星々が、弱々しくも姿を現す。

 「星が降る夜」とはよく言ったものだ。

 今まで見た事のない星空が眼前に広がる。

 あまりの光景に、圧迫感すら感じる。

 瞬きが出来ない。

 呼吸をする事すら忘れた。

 一分程の完全なる静寂。

 しかし、まるでそれが無限の時間かのように感じる。

 僕らはその時、天の川に飲まれていた。

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