悪魔の視点で『悪魔の辞典』を読む

ジュン

第1話

「ビアスの『悪魔の辞典』(岩波文庫)ってあるだろう?」

「ああ、知ってるよ。いろいろな『用語』を揶揄した本だろう」

「そう。それでさ、思ったんだけど……」

「どうしたのさ?」

「あの『悪魔の辞典』を悪魔の視点でとらえたら、どう定義するか?」

「つまり、『悪魔の辞典』のなかに『悪魔の辞典』の定義を書き込むってこと?」

「そう」

「例えば、どんなふうに定義するの?」


「『悪魔の辞典』……『様々な用語や事象を一般的な意味から離れて皮肉たっぷりに再定義する試み。歯に衣着せない定義にむしろ読者は納得するだろう。しかし、その試み自体にビアス(著者)の「うまいこと言っただろう」という自己優越感が裏付けられていて、そのにおいに、最後まで読む前に読者を辟易させる「前衛プロパガンダ文学」の秀作』」


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悪魔の視点で『悪魔の辞典』を読む ジュン @mizukubo

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