第3話 友人の話は決して鵜呑みにはしてはいけない

─── 数日後


「・・・おい、本当にここがオーディション会場で間違えないんだよな?」


「あぁ、ここがオーディション会場のGGGAプロダクションだ!!」


「・・・いやいやいや、GGGAプロダクションって言ったら大手の芸能事務所だろうが!!そんなところのオーディションを受けても受かるわけがないだろう!!」


「ま・・・まぁまぁ、一旦落ち着こうぜ」


土曜日。

約束通り駅に集合し、時間通りに来た電車に乗り込み、電車に揺られながら何度も齋藤にどこに行くのかと聞いたが、するすると躱され続け、結局言われるがままに齋藤に連れてこられた場所は二十五階建てぐらいにになっているオフィスビルのような建物の前だった。

この、建物の名前はGGGAプロダクション。

俺の記憶が正しければ、GGGAプロダクションは大手の芸能事務所だったはずだ。確か、その規模は大手のお笑い事務所「かなづき」に匹敵するぐらいだと思っている。


とゆうか、いくら大手の芸能事務所だと言っても流石にデカすぎはしないか・・・。

ここまで、デカいともう城の域だよな・・・。


このGGGAプロダクションは、人気アイドルが大勢所属しているんだよな・・・。

まぁ、そんなことを言っても、俺自身はアイドルとかに疎いから全く知らないんだけどな・・・。

クラスメイトのアイドルオタクから勧められて、何回かそのアイドルたちが出演している番組を見てるから、ドラマとかで引っ張りだこな立花楓やバラエティタレントで有名な梅咲小鳥ぐらいしか知らないんだよなぁ・・・。


「まぁ、今はこんなところでは話してないで取り敢えず中に入って話そうぜ」


「・・・いや、勝手に中に入っていいのか?」


「大丈夫大丈夫。そこら辺のことは俺に任せとけって」


いや、お前に任せるとろくなことが無いから、全くお前のことを信用できないんだけどな・・・。

俺は、そんなことを思いながら、齋藤に連れられるがままGGGAプロダクションの中に入って行くと、目の前には、ただただ広いGGGAプロダクションの内装が広がっていた。


「・・・いや、まじでデカイな」


「零時。俺はちょっと、受付けを済ませてくるから少しここで待っててくれ」


「えっ・・・あ・・・ああ」


齋藤はそう言うと、受付けを済ますために受付けの女性とどこか仲良さそうに話始めた。

俺は、そんな齋藤を他所に、GGGAプロダクションの内装に圧巻されていた。

そんな、俺の横を可愛らしい衣装に身を包んでいる二人組の女性が通り過ぎて行った。

俺は、なんとなくだが、その二人組の女性を目で追って行ってしまった。


「なぁ、夏美今日空いてるか?」


「今日か・・・?うーん、まぁ空いてるけど何をするんだ?」


「実は、この間初めてのドラマの仕事を貰ったんだけど、台詞とかが不安だから夏樹に見て欲しいんだよ」


「あー、ドラマの台詞ね。まぁ、あたしでいいなら別にいいけど」


「ほんとか!?」


「あぁ、本当だ」


うーん。何か、あの二人組どこかで見たことがあるんだよなぁ・・・。

もしかして、あの金髪のポニーテールの人は、大御所の芸人森山直太朗が司会を務めてる音楽番組の「GG音楽祭」とか今話題の映画の「君と僕が出会った日」に出演していた人だよな・・・。


俺は、そんなことを考えながら、これ以上ジロジロと見ていると変態扱いされてしまうと思い、不本意ながら未だに受付に居る齋藤に視線を移した。

齋藤は、受付けのお姉さんに見たことの無い紙を差し出していた。

恐らく、スタジオ・ミュージシャンのオーディションの応募用紙か何かだろう。

だが、オーディションに必要な履歴書とかは俺が今持ってるし、オーディションに応募用紙が必要なんって言われてないし、書いた覚えも無いんだよな・・・。


「おーい!!受付けの人が迎えの人が来るまでそこら辺で待っててくれだってさ」


「・・・了解」


しばらくすると、受付けを終えた齋藤が俺に駆け寄って来てそう言ってきた。

俺は、齋藤に対してそう答え、近くの自動販売機で缶コーヒーを買い、受付から少し離れた場所で買ってきた缶コーヒーを飲みながら迎えかの人が来るまで待つことにした。

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俺とアイドルたちの青春な物語り 改訂版 くろとら @sirotora

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