第18話 旅を終えて

 翌一月一日。年が明けて二〇二二年である。

 この日、北の天気は荒れていた。激しい風雪のため、新千歳空港の滑走路は二本とも閉鎖され、各社に何百便もの欠航や遅れが続出していた。もし日程が一日ずれていたら……そう考えると恐ろしくなった。本当に色々と限界な限界旅行になっていただろうことは想像に難くない。宿に泊まって天候回復を待てるならまだしも、宿が埋まってしまったら……


 どんな旅行においても、これから訪れる地域の天候や交通に関する情報は、可能な限り集めておきたいものである。もし先行きが怪しい場合、どこまで予定を入れても大丈夫か、万一引き返す場合、決断はいつまでにしなければならないか。無事に生きて帰るには、これらを頭の片隅に置いておくことが重要だということを、本当に感じた旅行だった。たった三日間ではあったけれど、移動距離、情報量、危機管理の観点から、今回の旅行は濃密で壮大なものであったと言える。


 またいつか、平和な日常が戻ってきたら、旅に出たいものだ。

 そんな日が、一日も早く戻ってくることを願うばかりである。

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限界旅行記 べてぃ @he_tasu_dakuten

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