第10話 アンコウ
目が覚めたら、レイナさんの胸に顔が埋まっていた。「あ~、幸せぇ!。」と声が出た。「先生、かわいい、食べちゃいたいにゃ!。」と僕の頬を甘噛みした。ベッドには美女が4人が、、、あまりに凄い光景でスマホで撮ろうと思ったが見当たらず、「先生、シャワー浴びてくれば?。」と言う甘い声にスマホそっちのけで、更にお代わりしたくなったが、我慢した。
シャワーから出ると、制服の男女が数名リビングに居た。
「お客さんですか?、すみません、こんなカッコで、、、。」
「いえいえ、大丈夫です。さ、行きますか?。」と一番偉そうな制服の男が言った。
「はい?。」
「あ、失礼、私、こういう者です。」と出された手帳には『食糧庁ソイレント部』と書かれていた。
「ソイレント?って?。」って手帳から男に視線を向けた瞬間に首に痛みが。
ボンヤリする意識、脳裏に聞こえる声が文字になって流れる。
「この世界とお前達の世界は、大昔から関わっている。
最初は1万数千年前、お前達の言う縄文時代。その時に私達の世界で全世界規模の天変地異が起こった、その時にお前達の世界を繋がった。
しかし、その時は長くなく進めていた計画は頓挫した。その後は次に繋がる事を期待し研究が続けられたが1万年以上も繋がりが無かった、そして1000年程前に京都の丹後半島、大江山の時空トンネル実験に成功した。」
(えっ?、何の、、、話?。てか、制服だろ?なんでお前呼ばわり?。)意識はまだハッキリしない。
「お前達の世界で言う酒呑童子はウチの政府の人間でね。」
(シュ、テン。。。ドウジ?。)朦朧としながら記憶を探る。
「その時に源頼朝の仲介で一条天皇とこの世界の鉱物資源を提供する代わりに人を貰う取引をし、その交換施設として禁足地というテイでシステムを各地に設置した。」
(なんだ、禁足地が、、、?。)
「しかし、大政奉還でお前達の世界のバランスが崩れ、我々との条約を一方的に反故にし、あげくは多くの侍をこちらに送り込み戦争が起こった、この戦争で多くの人々が殺された。お前達は知能は低劣だが戦闘力は私たちより遥かに高いから多くの血が流れた、、、大きな犠牲を払ってお前達を駆逐したんだ。私たちはお前たちが必要だった、そして開発を進めていた移動式禁足地システムを駆使し、身内の居ないような人間や孤立したような人間を捕獲しつづけて来た。」
(何を言ってるんだ、、、身体がだるい、、、動かない、、、。)
「新たに開発して洗脳システムを使って、宗教という名目で多くの人間を、そして最近ではマンガを使って異世界への憧れを刷り込んで、大勢が捕獲されやすい環境作りを地道に続けているんだよ。」
「僕を誰だと思ってんだ!。上級国家公務員ゴールドだぞ!。」と出したことが無いような大声で叫んだ。しかし、その声は全く意味をなさず、リョウマさん、レイさん、みんなニヤニヤ笑っている。
「お前達の世界での日本人、その核DNAが特異だって事は知ってるか?。」
男は大きな包丁をジャ!ジャ!とシャープナーに擦りながら言う。
「え、、、?。」と心臓の鼓動で震える身体で小さく言った
「オリジナルの縄文人のDNAは突然発生したって事実だ。」
「、、、。」
「お前達の世界での縄文時代、私たちが持ち込んだ食用のほぼ人の猿が一頭逃亡してな、それがお前達の祖先。」
「、、、。」
「そもそも、私達の食料なんだよ。お前たちは。」
背中に激痛が走り、目の前が真っ暗になった。
ガラガラガラガラという音と背中の痛みで目が覚めた。
壁面のガラスに写った僕は、鈍くシルバーに光る巨大なフックが背中に刺さりユラユラと揺れていた。
「あっ、アンコウの吊るし切り、、、。」
僕は恍惚とした表情で逝った。
異世界行ったら、鮟鱇(アンコウ)が絶品だった 朱鷺 @kakuhitoki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます