今夜限りの歌姫

翔吏

夢のような一瞬をあなたと

 少女がひとり、暗い森の中に立っていました。


 視界も思考も、まるで蜃気楼のように不鮮明で、頭上に生い茂った木々の隙間から差し込む明かりは、数メートル先の草木を確認できる程度には、この暗い森の中を照らしていました。しかし、物音ひとつもしない森の中で、たったひとりで歩き出すことは、少女にはできませんでした。


 「…………」


 それからどれくらいの時間が経ったことでしょうか。数分間かもしれませんし、ほんの数秒間だったのかもしれません。暗闇は時間さえも狂わせます。


 そうして、少女がじっとしたまま立ちすくんでいると、思いがけない変化が起きました。


 声を出すことすらもはばかられるほどの静かな森の中で、ほんのかすかに、流れてきたもの――それは歌声でした。


 まるで羽衣のように透き通ったその歌声は、五線譜に宝石を並べたかのような美しいメロディとともに、冷たい空気と少女の心を、震わせました。


 暗い森の中、冷たい空気、孤独を詰め込んだような空間にひとりきりで立っていた少女にとって、その歌声はとても温かなものに感じられました。


 何もかもがおぼつかない森の中で、その少女が足を踏み出したとき、水面にガラス玉を投げ入れるかのようなピアノの音色が聞こえてきました。




 少女は、草木をかき分け、おぼつかない足取りで、暗闇の中を進んでいきます。


 地面を踏みしめる度に、枝木の折れる音がしました。何度もつまづき、転びそうにもなりました。しかし、歩みを止めることはありません。


 その少女の耳にはずっと、あの歌声が届いていました。


 「……この歌、どこかで」


 声にならないくらいの言葉を口の中で呟き、記憶を探るように視線を地面へと傾けます。しかし、何も思い出せずに、ふたたび顔を上げたときのことです。突然の出来事に驚き、吸い込んだ息は喉で擦れながら、少女は思わず後ろに手をつき、倒れてしまいました。


 狐のひとが、少女の数十歩先に立っていたのです。


 狐のひと、と表現したのには理由があります。その佇まいは人間そのものでしたが、一つだけ特徴的な点がありました。狐のお面のようなものを被っていたのです。片手には火の筒を持っており、その灯りが周囲を、狐のお面を、淡く照らし出していました。


 暗い森の中をたったひとりで歩いていて、その光景を目にしたとすれば、驚いて動けなくなるには十分すぎる理由といえるでしょう。


 そうして、筒の火が何度か大きく揺らめいたのち、狐のひとは、片手に持っている火の筒を足元に下ろし、おもむろに近づいてきました。少女は怯えたまま足がすくんで、その場から動くことも、声を出すこともできません。徐々に狭まっていく距離に、少女の呼吸が荒々しくなったときのこと。


 狐のひとは、右手を差し出しました。その右手には白い手袋を付けていました。


 目を白黒させて、白い手袋と狐のお面を交互に見つめる少女。狐のひとの表情を読み取ることはできませんでしたが、そのお面がほんの少しだけ動いたような気がしました。


 少女はためらいがちに手を伸ばし、差し出された手を支えにして、ようやく地面から立ち上がりました。


 狐のひとは少女を一瞥すると、ゆっくりと背を向けて、元の場所へと戻っていきます。


 「あの、ありがとう……?」


 少女は、その背中に小さく言葉を投げかけます。


 狐のひとは、火の筒を拾い上げると、踵を返して、ふたたび少女の方へと歩いてきました。


 「……くれるの?」


 狐のひとは、火の筒を差し出しました。そして、今度は確かにそのお面がほんの少しだけ動いたことを、少女は感じました。火の筒から溢れる柔らかな熱が、光が、少女の肌に温もりを与えてくれます。


 狐のひとは、また、ゆっくりと背を向けて、元の場所へと戻っていきました。


 少女が口を開きかけたそのとき、狐のひとは透明になっていき、次の瞬間には、ただただ何もない空間が残されているだけでした。


 少女の手元にある火の筒だけが、熱を放ちながら、静かに揺らめいていました。




 またもや暗い森の中にたったひとりで残された少女は、しかしながら、少しばかりの安心感を得ていました。それは、今も流れてくる歌声や、手元で揺らめく火からくるものかもしれませんし、あの冷たくも温かい手のおかげかもしれません。


 今もなお、不思議なことだらけでしたが、それでも進まないわけにはいきません。


 短く息を吸いこんで、深く吐き出して、少女はふたたび草木をかき分けていきました。


 それからしばらくして、転がっていた岩に躓きそうになり、思わずバランスを崩してしまい、その手に持っていた火の筒を落としてしまったときのこと。


 火の筒を拾い上げようと、後ろを向いた少女は、とあることに気づきました。いえ、もしかしたら、もっと、前から気づいていたのかもしれません。


 少女の耳に届いている歌声は、後ろの方から聞こえてきたのです。


 少女は確かに、歌声の聞こえてくる方へと進んでいるつもりでした。しかし、少女が歩いてきたはずの、先ほどまでとは正反対の方向から、歌声が聞こえてくるのです。


 「……え……?」


 そしてもう一度、先ほどまで進んでいた方へと振り返ろうとすると、次は右側から、歌声が聞こえてきました。嫌な予感がして、おそるおそる身をよじると、今度は左側から。


 つまり、少女が現在向いている方向から、歌声は聞こえてくるのです。右を向けば右から、左を向けば左から、後ろを向けば後ろから。まるで森全体に歌声が木霊しているようで、とても不気味に感じられました。


 さらに、火の筒は、その灯を完全に消し去っていました。これでは、どこへ向かえばいいのかわかりません。


 もう、動くことも、できません。


 服はぼろぼろで、髪はぐしゃぐしゃ。少女は、音を遮るように耳を覆い隠しました。




 真っ暗な世界でした。何もない空間でした。停滞した空気だけが渦を描くように時折現れては消えていきます。それさえもはっきりとは分かりません。見えません。


 ただでさえ、暗い森の中です。耳を塞いで、瞼を閉じてしまえば、掛け値なしにその世界は闇そのものといえるでしょう。


 「………………」


 ただ、この時が過ぎ去ってくれればいい。

 ただただ、早く陽が昇ってくれればいい。

 そして、誰かが助けに来てくれればいい。


 言葉は形になることはなく、曖昧なままで心の中を彷徨います。


 「コン、コン、コン」


 突然、短い音が等間隔で三回訪れました。


 ノックのようなその音は、軽快で、柔和で、優しいものでした。


 少女は、鍵のかかったドアの隙間からのぞき込むようにして、耳から手を放し、瞑った目を少しだけ開きました。


 しかし、そこには以前と何も変わらない暗い森の景色が広がっていて、木霊する歌声は今も流れてきます。


 少女は、裏切られたような心地のまま、鍵をかけた真っ暗な世界へと戻ってしまいます。


 「コン、コン、コン」


 ふたたび、等間隔に、三回。


 その音は、心なしか前よりも、気遣わし気に、まるで語りかけるかのように聞こえました。


 少女は、耳に手をあてたまま、少しだけ押さえつける力を緩め、左目を少しだけ開きます。やはり景色は変わりませんし、歌声は今も聞こえてきます。それでも。


 耳を覆い隠すその手を放すことができるように。

 瞑ったままの片目を見開くことができるように。

 孤独を、恐怖を、暗闇を、塗り替えることができるように。


 歌声を乗せた、美しくもどこか懐かしいメロディを、少女はかすかに口ずさみました。喉もほとんど震えないほどの、ほんの小さな声でした。


 しかし、その歌声は誰かに届いたのかもしれません。


 狐のひとが以前と同じように立っていました。


 傍らには大きなかがり火が鮮やかな火花をまき散らしながらごうごうと燃えていました。


 狐のひとはかがり火を支えている木に手を当てると、勢いよく倒します。


 その直後。

 景色は一瞬の白に包まれて。

 爆風のように音楽が咲き乱れて。

 眩いほどの光の粒が舞い踊っていて。

 溢れんばかりの光の中には、歌姫がいました。




 少女の目の前に、唐突に表れたのは、溢れんばかりの光の空間でした。


 長い間、森の中を彷徨い続けて、暗闇に慣れきっていた瞳には、その空間はあまりにも眩しすぎて、とても直視できませんでした。少女は、光を遮るように顔の前に手をかざします。


 すると、その光がほんの少しだけ和らいだのを、未だ眩んでいる瞳の奥で感じました。


 それから長い時間をかけて、少しずつ目を慣らしていき、真下にある地面からゆっくりと視線を滑らせるようにして、前方を見やります。


 そこには狐のひとが、光を遮るようにして立っていました。その手には布のような何かを持っています。しかし、溢れ出す光が眩しすぎてよく見えません。


 その間も、時には清流のように緩やかに、時には滝のように力強く、歌声と音楽は咲き誇っていました。


 ようやく少女が目を見開いて前方へ歩いていくと、狐のひとはその手に持っているものを、とても丁寧な仕草で、少女へと差し出しました。柔らかそうな布が光を反射してきらきらと輝いていて、その布の表面には、花の模様をあしらったきめの細やかなレースがひらひらと泳いでいました。


 狐のひとが差し出したもの、それは純白のワンピースでした。


 少女は、何度も何度も何度も何度も、狐のひとのお面と純白のワンピースを交互に見つめます。


 「………………」


 真っ暗な世界に、ノックのような音が聞こえてきて。

 おそるおそる目をひらくと、狐のひとが立っていて。

 かがり火が倒れると、光が溢れて音楽が咲き乱れて。

 狐のひとからは、純白のワンピースを差し出されて。


 正直なところわけがわかりませんでした。とっくに少女の頭の中はキャパオーバーでした。疑問だらけです。はてなマークでいっぱいです。


 しかし、今となっては、不安も孤独も薄れてきていました。

 暗い森の中で冷え切った心はいつの間にか溶けていました。


 「えっと、……ありがとう」


 夢うつつのような心地で、少女はそっと純白のワンピースを受け取ります。


 狐のひとは、ほんの少しだけ頷きます。


 それからおもむろに体を引いて少女の前から横の方へと退きました。


 遮るものが何もなくなり、ふたたび溢れ出した光の粒が少女の瞳に飛び込んできます。


 ようやく光の刺激に瞳が慣れてきたこともあり、少女は先ほどよりもいくぶん目の前の様子をうかがうことができました。一瞬で目を奪われました。


 「…………」


 ひとりでに動きまわるピアノ。

 円を描くようなオーケストラ。

 空中に浮かぶギターやベース。

 低いところを跳ねまわる篠笛。

 奥で揺れているドラムセット。

 上空へ舞い上がる虹色の羽衣。


 マイクを握り締めた森の歌姫。


 スポットライトという概念すらも、何ら意味を為さないほどに賑やかな空間。

 美しさと、神秘と、空想を、おもちゃ箱に詰めたかのような煌びやかな世界。


 少女の指はまるで引き寄せられるかのように自然と前へ伸びていき、空中をふわふわと浮かぶ一つの小さな光の粒に触れた途端、いくつもの光の粒がはじけ飛んで、手に持っていたはずの純白のワンピースに身を包んだ少女がひとり、空間の中へと入っていました。


 その少女の様子を見て、少し驚きながらも、柔らかな微笑みを浮かべる森の歌姫の姿かたちは、純白のワンピースに身にまとった少女によく似ていました。




 少女が進んでいくにつれて、より激しく、より自由に、楽器たちは音を奏でました。


 虹色の羽衣は至る所から溢れ出し、まるで祝福するかのように少女の周りを飛び回ります。きらきら、さらさら、くらくら。


 心は沸き立ち、目は眩み、音の奔流に身を預け、一歩、また一歩。


 自分にそっくりな姿をした彼女のもとへ、今もずっと美しい森の歌姫の方向へと少女は歩いていきました。何もかもが透き通っていました。どこまでも透き通っていました。


 そうして、呆然としたままの、陶然としたままの少女に向けて、森の歌姫はマイクを一本つかみ取って、空に高く放り投げます。その軌道は緩やかな放物線を描いていました。その姿は結婚式のブーケトスのように美しいものでした。


 あまりの突然の出来事に、少女は上手にマイクを掴むことができず、地面に落下してしまう――かのように思われたときのことです。


 空中をふわふわと浮遊していた光の粒たちが吸い寄せられるかのように一か所に集まり、柔らかな光の絨毯になりました。光の絨毯でマイクを受け止めると、ゆっくりと宙に浮かんでいき、やがて少女の目の前で留まりました。


 少女は迷うような手つきで指の先を伸ばします。指がマイクに触れた瞬間に、光の粒は散らばり、少女はとっさに落ちかけたマイクを握りました。


 そのまま、視線を下げて、じっと見つめます。


 そのとき、少女の肩のあたりから、優しくて、何だか現実感がなくて、でもどこか懐かしい声がしました。


 「大丈夫。大丈夫だよ。ここには私たちしかいない。私しかいない。だから、大丈夫」


 「っ……!」


 肩の触れ合うくらいの距離に、森の歌姫と少女は立っていました。とても不思議な光景でした。なにせふたりの姿かたちは、服装の違いを除けば、鏡のようにそっくりだったのですから。


 「ふふっ。そんなに驚かないで。こっちが困っちゃう」


 「……あの、あなたは、?」


 「私はあなただよ。そして、あなたも私だよ」


 「それって、どういう……?」


 「あ、そうだよね。驚かせちゃってごめんね。」


 それから森の歌姫は、遥か遠い上空を見つめながら、言葉を紡ぎます。


 「ここはね、あなたの夢の中とつながったところなの。深い深い夢の中の、ほんの小さな扉の先に広がる場所。私はここで暮らしているんだけど………きっとあなたは、その扉を見つけて入ってきたのね」


 「じゃあ、わたしは、夢を見ている……?」


 「うん、そうだよ。…だから時間がたてば、あなたは帰ってしまう」


 元の世界に、と森の歌姫は小さく呟きました。


 「わたしはね、あなただから。あなたが何を思って、何を感じて、……何に怯えているのかも、わかってる。あなたが歌わなくなったあの日のことだって、憶えてる」


 「…………」


 「でもね、大丈夫」


 俯く少女に語りかけるように、同じ言葉を口にしました。


 「ここは夢の中だから。あなたが望めば、きっと、歌える。それにほら。ここには私たちしかいなくて、私しか、いないでしょ?」


 茶化すように、森の歌姫は首を傾けました。


 少女はクスッと笑います。何かを心に決めたような表情で、少女は頷きました。


 それから、一つ思い出したとばかりに、少女は口を開きました。


 「そういえば、狐のひとが助けてくれたんだけど、あのひとは――」


 そう言いながら少女は後ろの方向へと振り返ります。しかし狐のひとはいませんでした。


 少女は視線を左右に動かしながら、呟きます。


 「あれ? どこに行ったのかな?」


 すると、森の歌姫はとても驚いた表情で少女を見ていました。


 「え、狐のひと、って……もしかして……狐のお面を被っている人のこと?」


 「うん。そうだよ?」


 「背の高さはこのくらいで?」


 森の歌姫は背伸びをして、片手を上げました。


 小刻みに震えているその手を見ながら、少女は答えます。


 「そのくらい、だったと思う」


 「……白い手袋、とか、してた?」


 「う、うん。してた、けど……どうして?」


 少女のその言葉を聞いて、森の歌姫は震えていた手を胸のもとに持っていき、まるで大切な何かを握りしめるかのように、そっと抱きしめました。


 「そっか。……そっか。…………」


 涙で湿った声色は、少女の耳にもはっきりと聞こえました。


 森の歌姫はゆっくりと顔を上げて、まだ湿ったままの顔を徐々に微笑みに変えていき、一言だけ、ありがとう――と言いました。


 「さ、一緒に歌いましょ。まだまだ夜は長いのよ。今夜は寝かさないから!」


 そう言いながら、森の歌姫は少女の背中を押していきます。


 光溢れる森の中、楽器たちの奏でる音に紛れて、確かにふたり分の笑い声がありました。




 光溢れる空間の中で、ふたりは肩を並べて、深く息を吐きました。まるで指揮者の合図が掛けられたかのように、楽器や光たちは自然と動きを緩やかにしていきます。やがてそこには静けさだけが残されていました。


 もう一度、深く息を吸い込んで、胸の中にため込んだ空気を滑らかな音色と言葉に乗せて、外の世界へと解き放ちます。それはどこまでも届くようにも、大切な誰かひとりにだけ届けられているようにも感じられる美しい歌声でした。森の木々でさえも思わず聴き入ってしまうほどの音色を奏でる彼女はまさしく、森の歌姫でした。


 それから、深く息を吸い込んで、胸の奥に取り込んだ空気を透き通った声音と心に乗せて、外の世界へと導き出します。それは願いを夜空に浮かべるようにも、古いアルバムをゆっくりとめくるようにも感じられる美しい歌声でした。光の粒々でさえも思わず聴き入ってしまうほどの声色を奏でる少女はまさしく、白の歌姫でした。


 ふたりは、神秘的ともいえるほどの美しいハーモニーで静謐な空気を揺らし、灯台の光を想起させるようなロングトーンにすべての高まりが最高潮に達したとき、一瞬の静寂を飛び出して、音が、光が、空気が、心が、爆発するように咲き乱れました。


 楽器たちはひとりでに音を奏でて、光の粒たちは紙吹雪のように宙を飛びまわり、虹色の羽衣はくるくると回転しながら空間を通り抜け、二本のマイクは銀色に光を反射してきらきらと輝き、森の木々たちはざわざわと揺れ動き――何もかもがこの空間に、この時間に、この一瞬に、それはもう確かなほどに、存在していました。


「――――」

「――――」


 ここは夢の中の世界なのかもしれませんし、ほんの一夜の出来事なのかもしれません。


 朝日が昇れば皆が皆いつも通りの朝を迎えるのかもしれませんし、何もかもが今夜限りの思い出なのかもしれません。


 それでも、


 ほんの一夜の思い出が、どうか煌びやかなものであってほしい。

 夜空を見上げれば星が瞬くように、温かなものであってほしい。

 眠れぬ夜には、あなたの心の映画館でフィルムを回してほしい。

 夢のような一瞬をあなたと過ごしたことを、忘れないでほしい。


 忘れないでいたい。


 ――木々の向こう側では、朝日が昇り始めていました。

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今夜限りの歌姫 翔吏 @shori_music_

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