赤色のワンルーム

レジャーパーソン

赤色のワンルーム

この何も無い殺風景な部屋に

一人

ただ座っている私

ボロボロ小さな部屋の至る所に

赤色が染み付いている

日が出ているのに

薄暗い部屋で

何もせずに

ただ座っている

すると

一人の男が入ってきた

少し驚きながらも

部屋に入るとすぐに

扉を閉めた

こちらに気づく素振りもなく

床を掃除し始めた

少し経つと

赤色の絵の具のほとんどが

綺麗になっていた

今は夏だ

きっと少し暑いのだろう

その男は服を1枚脱いでタオルで汗を拭う

また男は服を着て掃除をする

すると中々落ちない

赤色の絵の具がその男を困らせていた

ため息を着きながら他の絵の具を綺麗にした

中々落ちない

赤色の絵の具に向かって

私は静かに言った

この絵の具は私の涙だと

男はもう一度ため息を付き

中々落ちない

赤色の絵の具の上に

何かを貼った

きっと他の人にその赤色の絵の具を隠すためだろう

きっとやる事が終わったのだろう

その男がこの部屋を出ていった

何も無い部屋なのに

なんで来たのかは分からない

そして私もなんでここにいるのかは分からない

ただ私はずっとここにいるのだ

何もせず

ただここに

ずっと





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赤色のワンルーム レジャーパーソン @rejya-pa-son

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