第15話

「ナターシャ様!どうしてこんな事に。息をしてらっしゃらないではありませんか!魔王様」


「ああ私を庇ったせいでナターシャが」


「そんなナターシャ様」


「アシリ、サリー、ナターシャと二人きりにしてくれ。今からナターシャを蘇らせる」


「そんな事をしたら魔王様のお命が」


「私の命なんてどうでもいい、ナターシャが生きていてくれたら私はそれだけで」


「魔王様わかりました。ですが必ずお二人で戻ってきて下さらないと恨みますからね」


「ああアシリわかったよ」


そして二人は部屋を出て行った。


私はナターシャを抱きしめ魔力を全部ナターシャに注いだ


私の力はこれだけだ。ナターシャ戻ってきてくれお願いだ・・・そう思い私は力尽きた。



「レオ様!レオ様」


ナターシャが私を呼んでいる


「ナターシャ私は生きて?」


「ええ。あの日からもう1ヶ月です・・・私を助けてレオ様はお眠りに」


「そうか・・・ナターシャ君を失わずにすんでよかった」


「私もレオ様を失わずにすんでよかったです」


「泣かないでナターシャ」


「はいお二人イチャつかないで下さい。魔王様やっとお目覚めですか?遅いですよ。魔王様のお仕事は積もりに積もっていますからご覚悟を」


「アシリも元気そうだな。ああ仕事頑張るよ」


そしてその日の夕食


「レオ様お身体大丈夫なんですか?」


「ああ不思議な事に魔力あるみたいなんだ」


「それはよかったです」


「ナターシャ君の身体は・・・」


「レオ様と一緒に生きていける身体になったんですよね?」


「ああそうだよ。ナターシャは後悔してない?」


「後悔なんてするはずないじゃないですか。レオ様と一生一緒に生きていけるんですから私は幸せです。これからもっと幸せにならないと。レオ様と共に」


「そうだな。これから、もっともっと幸せになろう。ナターシャ愛している。君に出会えてよかった・・・」


「レオ様愛しています。ずっと一緒にいましょう。命尽きるまで・・・」



[完]

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魔王が心から愛した少女 桜川椿 @SAKURAGAWA_TSUBAKI

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