キャラバンと盗賊(+α)たちの駆け引きが見所です

 パミが健気で可愛いです。助けを求めるために脱走してきた勇気にも感銘を受けます。また、頼りなく見えても村長の血族である気高さ、怪我をしたミアーナを気遣う優しさもあります。

 シェラハの面倒見の良さもに好感が持てます。一方、イリジスは彼女のお目付役ということで、キャラの配置がしっかりしているように感じました。

 そのほか、長老が言うように、グニルが娘のことを心配するのは当然で、その心が伝わってきます。そしてシェラハたちを行かせておいて『真の目的』のためにキャラバンで追うわけですが、そこに長老という立場だからこその計算高さが見て取れます。

 オチに向けての構成としては、岩盤の危険性やパミを向かわせるところに伏線を張っておくなど仕掛けがきちんと配置されています。

 盗賊の不可解な行動の理由やオアシスの下を掘るのは危険なのではないかという懸念を持ちながら読んでいたのですが、最後に『井戸掘り』に繋がってきてなるほどなと感心しました。