受け継がれる力

エビフライ

プロローグ

 西暦2050年、NASA。

「1万光年先から多数の飛行物体が地球に接近中」

「大きさと衝突までの時間を報告しろ」

「大きさはおそらく旅客用の飛行機ほど、時間は余りにも早く観測不能だがおそらくもうまもなく衝突する。」

「なんだと?すぐに上に報告しr」

その直後NASAの本社があるワシントンD.Cに轟音が鳴り響き、外から人間の声が頭に直接聞こえてきた。

(ただいまよりこの青い星は我々ガイア人のものとなる。おとなしく命令を聞くのであれば殺さないが、抵抗するものは容赦なく殺す)

そこから声は聞こえなくなり、NASAの関係者はすぐに大統領へ情報を共有し、本物の宇宙人であると断定した。

宇宙人の声は世界中の人間に聞こえていたらしく、アメリカの大統領は世界中の首脳陣を集め、ガイアと名乗る宇宙人と抗戦することを誓った。

しかし、このときの会議では自分たちが手も足も出ずに敗北するとは微塵も思っていなかったのである。


 1週間後。

軍を持つ世界中の軍隊がワシントンD.Cの最寄りの基地に集結し、開戦の準備を整えた。

その間宇宙人は一切動きがなくその場に留まっていた。

「おい、やつら何もしてもこないし早くやっちまおうぜ」

「そうだな。我々地球人より優れている惑星があるわけないのだ。早くやつらを片付けて逆にガイアとやらに進攻でもするか」

自分たちが強くて当たり前というアメリカやロシアの強気な姿勢の前に、他の国の首脳陣は何も言えず開戦ののろしを上げた。いや、上げてしまった。


 宇宙人達が滞在している地へ各国の戦闘機が爆弾を投下したところから、宇宙人の殺戮ショーが幕を上げた。

爆弾の弾幕が終わり、煙りが晴れたあと、宇宙人が乗ってきたであろう飛行物体は何かに守られていたのか、何事も無かったかのように無傷であった。

そして飛行物体から何千人もの人が出てきて高速で空を飛び、戦闘機を殴って破壊し始めたのだ。その後の戦闘は語る必要もなく、世界中の戦闘機や軍艦が全滅し幕を閉じた。

戦争の映像は世界中に中継されており、宇宙人のとてつもない力の大きさを図らずも全人類が認識してしまったのである。


 地球は完全に宇宙人の手中に収まり、戦争後は全世界の首脳陣や軍の関係者は処刑された。

宇宙人達は地球人よりも高度な技術を所有しているだけなく、人としての次元が全く違ったものだった。

鉄を素手で破壊し、新幹線よりも早く移動し、人によってはどこからともなく物を取り出すことも出来るのだ。

そんな宇宙人がただ一つ地球に興味を持った理由が、食べ物であった。

宇宙人達は地球の食べ物は甚だくいたく気に入り、地球人は例外なく全員食に関する仕事を強いられることとなった。


そして物語は100年後へと進む---------

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