その172、取材をしよう(6)

 真相はあっけなく明かされた。すべては秘密結社の仕業だったのだ。

「GWに懇親会あったでしょ? その時に、参加するみんながインテリア関係の本を買い込んでね」

 客室で父が落とした本を思い出す。

「それで空っぽになっちゃったんだ」

 ……なんて迷惑な。

「いやいや、売り上げ伸びたし感謝感謝だよ」 

 いずれにしろ、これはお昼に放送できる話ではないだろう。秘密結社について一から説明する必要が出てくるからだ。それ、何ていう拷問?

 ミカちゃんも同じ思いなのだろう、肩が落ちている。……ドンマイ。

 丁寧にお礼をすると、三宅さんは思い出したように言った。

「そういえば君たち、河口くんの同級生じゃなかったっけ」

 どきり、と心臓が鳴った。

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300字のさっちゃん 2年目 君野 新汰 @tabanga

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