その171、取材をしよう(5)
覚醒、としか言いようがなかった。
店内に入るや、レジへとずんずん歩を進めるミカちゃん。足取りに迷いがない。先ほどまで、取材をどうしようと二人で悩んでいたのが嘘のようだ。
「だいじょうぶなの?」
たまらず尋ねる。ミカちゃんは振り向きもせず答えた。
「任せておいて」
た、頼もしい。というか一体どうした。
そんな彼女の堂々たる態度に感服したのか、店長の三宅さんは快く取材に応じてくれた。
「そんなこともあったねえ」
本消失の件を尋ねると、三宅さんはおかしそうに笑った。
「何か事件でもあったんでしょうか」
メモ帳に素早くペンを走らせ、質問するミカちゃん。完全に記者になりきっている。
ちらり横顔を見る。本当にどうしたんだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます