その170、取材をしよう(4)
「あ」
「あ」
本屋を出たら、牧野が立っていた。
思わず視線を逸らす。
この間の授業参観であんな訳の分からないことをしでかしたのだ。絶対に変なやつだと思われているはずだ。すでにクラスではトンボ親善大使の異名をとっている。いや、トンボ親善大使って何だ。
けれど無視するわけにもいかない。とりあえず隣の源に声を掛ける。こっちもこっちでやたらと視線に棘があるように感じるが、やはりトンボのせいだろうか。
と、背後で自動ドアがうなりをあげた。ナイス、自動ドア。
適当な言い訳をして、場から逃げる。自分でも驚きの素早さだった。
曲がり角でひと息つき、どさりと手提げを地面に置く。胸にもやもやが広がる。
「あー、何やってんだ、俺」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます