JKサハギンの冒険

@yaoiana

第1話

Jkサハギンの伝説  







はぁ~いわたしはかわいいおさかなしゃんだよ!ってなんでやねん。





花の女子高生だぞ!?それが魚になったとはどこのどいつだい。





あたしだよ。




ふっふっふ。わたしはちゃあんと知ってる。




これは夢オチか、さもなければ転世ものというやつだ。




多分わたしは死んだ。




駅の階段から落ちたところまでは覚えているから頭を打ったんだと思う。




オカンごめんよ。先立つ不幸をお許しください。




前世のあーしはギャルだった。




......嘘です。すんません。普通の地味なJkでした。




趣味はWeb小説を読むこと。ええ。




その経験から察するにわたしは人魚に転生したんじゃないかなぁ~幼生体だから




魚に見えるオチとみた!ただし希望的観測が大きい。




はーっはっは。いえ、正直に申し上げます。




魚です。恐らく9割9分9厘ただのおさかなです。




えー。あれです。




前世で読んだお話だと苔に転世したり自販機とか剣とかスライムとか、ゴブリン




とか、まぁ魚ならマシなほうかなぁって現実逃避を繰り返すわたし。




名前は銀華(ギンカ)といいます以後お見知りおきを。




ギンちゃんって呼んでね?




はーっはっはっは。はーっはっはっはっはっはっはっっはぁ......




ツラい。




このかよわいおさかなボディが憎い、憎いよマザー。




ところであちきのママンはどこだい?




まさかの育児放棄?嘘でしょ小魚ひとりでどうやって生きて行けっていうんだい




今世の母よ。え?かわいそう?そういうの要らないの。




ギンちゃんそういうの間に合ってるから。




同情するならゼニーをくれ!




同情するならゼニーをくれ!!




ゼーハーゼーハー。息切れしてる訳ないだろ?魚だぜ?




普通に水中だよ騙されたか馬鹿め。




なんでも良いから誰かお仲間いないかなぁ~......




と泳いでいたわたくしめだったのだがわたしの人生ハードモード?




いやいや、難易度はナイトメアですね。




誰もいやしない!




衣食住のすべてが欠損してるよ!せめて食だけでもどうにかしないと餓死待った




なしだからね。




わたしは食べ物を探して泳ぎ回ることにした。




えーっと幼女ならぬ幼魚だからね。




なにを食べるんだろう......




んー。




んー。




んー。




......わかった。多分このお腹についてるグミ的なやつ栄養袋だ。




なんかむっかーし(っていってもたかだか10年くらいまえ)




鮭の稚魚を観察させられたときに見たぞ?





うむ。これは素晴らしいものだ。





ちょっとのあいだ衣食住の食に余裕ができたのである。





あとは安全な場所かな。





ここは......海かな?川かな?





なんかみないことにしてたけど結構デカイ魚上の方に泳いでるし





結構深いみたいだぜ!多分海っ。海と断定します。





だれが決めた?わたしが決めた。文句在るなら直接言いに来いよ!





幼魚だがな!





........幼魚だがな!





えー。トキヲモドソウ。





よく考えると体の周りの水は流れがあるよね。





魚生にして初めて気がついたんだけどわたし自然と泳いでたわ。





すごいね、自然って。





だあれにも教わらなくても泳げるんだね。





前世では押しも押されぬカナヅチのおギンと知られたあたいだが





ありがてえことに今世では溺れずにすむでしょうね。





魚なので。





とりあえず眠りたいです。





恐らくこの体に睡眠は必要ないのだが(なんとなくわかるの。不思議だ。)





わたしが寝たい。だって疲れたもん幼女だもん。





あ、だ、駄目よダメダメ幼女の寝るところ見ようなんて。





ぺドの謗りを受けたいのですか?





悔い改めなされ。悔い改めなされ。





とりあえず岩陰のようなところを発見したのでこちらでお休みすることにした。





そして目が覚めるとピンクの肉壁が見えました。





恐らく食べられてしまったのでしょう。





という夢を見た...........





............だったらよかったのにうわぁん。





この世には神も仏もいないのね。





ここは何かのお腹のなかというわけです。





オブラートに包んでもしょうがないです。





ジンジャーではないですね。





......いえ、そういうことではなくて。





お腹っていうよりはっきり言ってしまうと内装です。





かなり広いですが壁にひだひだがついています。





なんだか少し暖かい気がします。





不思議と消化されていません。





なぜでしょう?





はっ。もしやこれがわたしの転世特典というやつでは?





消化されないという。(違う)





......と、気づいてしまったのです。





かみさまぼくは気づ◯てしまった?





そんなバンドがありましたねぇ。





前世に。





とはいえ思考が飛ぶのは悪い癖です。





直せそうにはありませんが。





何に気がついたかというと。





そう。





わたしが食べられたということは





お仲間もいるかもしれないということなんですよ。





希望的観測をひと匙。





そういって白い魔女は唾を薬にッペ!!って吐いてましたけど




それはさておき。もしかしたら。ですよ?もしかしたらお仲間同士ならコミュニ





ケーションが取れるかもしれないですよね。





いい加減ひとりで話続けるのも辛くなってきちゃいました。





泣きそうです。





いえ。嘘です。泣けません。血も涙もないとはこのこと。





ええ。魚ですから。





もっとも実際は血があるわけですし涙って血液で出来てるわけですから





血も涙もないというのも真っ赤な嘘になります。




肌は真っ青ですが。




ただし水中なので涙を流す必要はなく流れる穴もないようですが。




まぁよろしい。





正しくは泣きたいです。よろしいでしょうか?





それに実際のところヲタクで地味な女子高校生略してWJJkだったわたしには





実はコミュニケーションって結構ですハードルがたかいんすよ。





独り言ならこんくらいペチャクチャ話せるんですが対人はひどい。





ちなみにネット上でも人見知りするタイプです。





LINEはほとんど使ってませんでした。





ぼっちとか言ったそこのあなた。





そう。あなたです。





幼魚はしつこくて根にもつタイプなのです。





その顔覚えましたよ。





なーんて。おさかなのちいさな脳ミソなので多分すぐに忘れるでしょう。





実際のところ結構考え事が出来ているので大きさはともかく性能面ではあまり





不満はありませんが。





っは!!そうですわ!わたしの頭のなかを幼魚改造計画がよぎった。





つまりはメカ幼魚!時代の最先端だわね。





ふっふーん。上機嫌になってまいりましたが状況は変わらずぼっちです。





ピンクの肉壁はどこまでも続いています。





幸い今のわたしはお腹の栄養だけでしばらく成長できます。神に感謝を。





ゴチャゴチャ考えたけど結局のところお腹の栄養分があるかぎりはここに住むの





が一番安全なのではないでしょうか?





ちなみに同胞はお話ができませんでした。





わたしよりちいさな魚が何匹かいたのですが奥の方へ吸い込まれていきました。





そしてそれよりあとに彼らの姿を見たものはいない。





なむなむ。





やっぱりわたしは特別な魚のようです。





奥の方へ吸い込もうとする力に自然と逆らって体がパタパタしているのですが





疲れもなく居眠りしながらでも維持できるくらいです。





うん。まあJkが急に魚ですからこのくらいの補助はないと秒殺でしょうね。





ありがたいことです。神に感謝を。なむなむ。





そんなわけでわたしは次なる仕事に取りかかることにしたのだ。





そう。お気づきの方もいるだろうがわたし昨日より少し大きくなってる。





それに伴ってお腹もスマートになってきている。





うんうん。良いことだぁってやばぁぁぁぁぁい。





わたしの文字通りのライフラインである栄養袋ちゃんが少ししぼんでしまってい





るのだ。体が大きくなれば使う栄養も増える。





このままでは10日ほどですべて使いきってしまうだろう。





それまでに食べられるものを探しておかないとならない。





思い出せー。思い出せ銀華。





あの夏祭りのあと金魚はナニを食べていた?





そう。エサである。





金魚のエサを食べていた。





........駄目ぇ。ぜんっぜん役に立たない情報だったわ。





でも水草とかパクパクしてた気がする。





ということは草も食べられるのかしら?





あとは鯉にパンをやってるおじさんが近所にいたなぁ。





あのおじさんがをーいって声をかけると鯉が池からビチビチビチッッって顔を




出すのだった。





あれは結構怖いよ。うん。他の人の声じゃ出てこないんだって





言っていたけど他の人も餌付けしてから声をかけてみたらちゃんとビチビチして





いた。





あわれおじさん諸行無常。





この世は無情で池の金魚のもののあわれなり。





これも役に立たない。だってここにはパンなんてあるはずもない。





そういえば水のなかにビスケットをいれると





ボウフラが死ぬっていってたけどなぁ。





パンじゃ駄目なんだろうか。





だれがこのボウフラ娘めにビスケットをください。





ってなんだ文脈的に毒杯を与えてくださいみたいになってる!?





閑話休題、食料問題であります!





敬礼はできるんだぜ?





エラの形って敬礼の時の手と同じだからね。





んー?そう。





そうよ!水草!





食べてたような気がする!





ダメだわ.......





お腹のなかに住んでるんだった。





んー。





んー。





んー。





んーっ寝てた!





いけないわ、おギン。





眠っていても流されずに自動で泳ぎつづけるスーパー幼女もとい幼魚。





ん?そうよ!そうだった!





プランクトンとか食べるのよ!





口を大きく開けて、はいガボガボガボガボー。





はいガボガボガボガボー。





ナニか入っていたような気がしないでもないけれど、多分気のせいね。





いや、わかってはいたのよ?





魚生始まって数日のわたしに水中のプランクトンを食べるなんて高等技能





出来るわけがないわよね?





シッテマシター。シッテマシタケドネー。





ふっふふっふふーん。





鼻唄を歌っているつもりであるけれど





実際になっているのは、ぐぼっぐっぐぼぼぼぼーみたいな音だった。





当然である。ここは水中なのだから。





あと気づかないふりしてたんだけどね。





わたしよりからだの小さい同胞がね。





共食いしてるんだよなぁ。





コレしかないのかなぁ........





私も歯がしっかり生え揃ってる。





ええいままよ。





...........痛い痛いいやぁーん。





噛まれたでござる。





気合いを入れてもう一度。





ガブッ。←これは私が噛まれた音。





グギャァッッ←これは私が噛みついた音。





えええええええ。威力違いすぎない?





そして生後数日にして同胞のお肉もりもり食べれちゃうよ?





そして食べてみてわかったこと。





...........コレうんめぇ。





これはアリですわー。





しかも食べた後傷が治った?





回復アイテムゲッチュ!!!!!!





勝つる!あたしは回りにいる小魚に声をかけて(返事はない)





食べた。食べた。いっぱい食べた。





突如だった。





〈レベルが上がりました〉





脳裏に声が聞こえた。





あたしとしたことが。





一度は異世界かもしれないと疑いつつもステータスオープンを試さないなんて。





テンプレだからね。





...........なんも出ねぇのかよ。





くっそ騙されたわ。





これは詐欺だよ事件だよ。





事件ですって。





アナウンサーがにょっきり出てくるくらいには事件だよ。





とにもかくにもこの世界レベルとかあるのねひゃっほう。





こうしてあたしは伝説の人魚への道を歩きはじめたのである。





(たぶん続く)



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