鯉と執着
@yukinobu0513
第1話 唇を奪われた…
貴方につかまった。そして釣れられた。
そう思った。
貴方と出会ったしまった事に全てが始まった。
目が覚めると、いつも変わらない朝だった。
お母さんが「綾‼️朝だよ~!遅刻しちゃうから早く起きなさい‼️」
「分かったって!ママ‼️
言われなくても起きてるよ~」
「言われたくないなら、綾、しっかり起きなさい。いつもいつも~‼️」
いつもの繰り返し。
そんな繰り返しが私は本当に嫌いだった16の夏前だった。
いつもと変わらぬ通学路。
いつもの道をいつもの音楽を聴いて、見えぬ将来の為に進む通学路…
そして、何より一番嫌だったのが、周りからチヤホヤされる事。
正直、私は幼稚園から、周りに可愛い可愛い言われてきた。
幼いながらも、そう今でも覚えている。
「はーーーーぁ毎日毎日、私何やってるんだろう?この先の私ってどうなるんだろう??」
「ってそもそも、このまま好きな人すら出来ずに寂しい人生を送っていくのかな???」
そう私は周りにチヤホヤされたせいで、大人ふってさめていた。
こんな私でも周りから
「綾ちゃん!綾ちゃん!」
って近づいてくる。
それが16の私には嬉しさでもあり寂しさでもあった。
「ヤバいないですか?私~」
自分自身、将来に対する夢もなく現実だけを見ていたそんな日だったかな?
貴方をふと思い出したのは。
貴方との一番最初の出会いを
思い出した日。
今でも覚えてる。
「痛ッッッーーーー!
何ッ?
唇が痛いんだけど‼️痛いッ!」
そして、その状況を冷静に上から見ている私。
「何なんだろう?これ?
えっ?釣りっ??
なんで私が釣りしてるの?」
夢なのか現実なのかも分かぬまま…
私は一瞬、目を閉じてみた。
そして君との物語が始まったんだ。
鯉と執着 @yukinobu0513
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