最終話『覚醒』

 翌朝起きた僕は、ひとりベッドで号泣した。

 自分を犠牲にして僕らを守ってくれた。

 何て愛に溢れた存在なんだ。

 まさに父と呼ぶに相応しい存在。

 絶対に忘れない。

 彼の願いは絶対に叶えなければ。


 「すいません、買い物お願いしたいんですが」

 「はーい、欲しいものは何?下の売店が10時にならないと開かないから、多分渡せるのは午後とかになると思うけど」

 「ノートとペンをお願いします」

 「それだけ?」

 「はい、それだけ」

 「了解」

 「お願いします。今とっても必要なんです、ノートとペン」

 「そか。じゃあ出来るだけ早く買ってこれるよう頑張るね」

 「ありがとうございます」


 よし。

 退院するまでにやることが沢山だ。

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小説『ノックアウトヒューマン(Knock-out Human)』 渡辺羊夢 @watanabeyomu

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