口笛は鳥を籠に縛りつけない

ひねくれ

第1話 旅立ち

 僕の名前はつばめ


 今時珍しい平仮名で、男とも女ともとれるこの名前と中性的な顔立ちには苦労することはよくあったと思う。でも、つばめという名前は好きだ。どこまでも自由に飛んで行くことができそうだから。


 僕には翼があるわけではないけど、この名前おかげで勇気が出てくる。そうだ!もう少しで夏休みだから、どこかに旅行に行こうかな?両親に相談しよう。どうせなら、誰も知らないところが理想だなーまあ無理だけど…

 どちらにせよ楽しみだなー


 ***


「いいわよ。丁度おばあちゃんが家に来ないかって」


「おばあちゃん?」


「そう。私のお母さん。お父さんが死んじゃて【 】島に引っ越したの。言ってなかった?」


「うん。言ってないよ」


「あら本当に?うっかりしてたわ。で、どうする?」


 うーんどうしよかな。


「お母さんもいくの?」


 お母さんの顔が曇る


「お父さんのこともあるし、私いけないわ」


「そうだよね」


 でも、良いチャンスかも。


「僕行くよ」


 そして、夏休みが始まり、すぐにおばあちゃんが住んでいる島に向かった。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

口笛は鳥を籠に縛りつけない ひねくれ @Hinekure

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る