流星ジョーカー

あんきも

第1話

少年が一人で人通りの無い道を歩いていると、ある男が目の前に立ち塞がった。




 「そこの少年!今から俺の話を聴いて笑え。」




 少年は不可解な面持ちで男をジッと見ている。




 「よし、じゃあ行くぞ?」




「……とあるゲーム大会で優勝した男が居た。男が街中を歩いていると、一人の人物が男の前に立ち『あんたに俺の願いを叶えて欲しい』と言った。」


 「男は何故俺に?と相手に質問した、するとその人物は答えたんだ。」




 「あんたがシューティング(ゲームの)スターだからだよ!」




 男は少年の反応を伺った。


 「……面白くない。」




 「よし……次の話に行こう!」


 男は少し焦り顔で話を進める。




 「俺がとある男に、流れ星に願い事をすると願いが叶うという話を聴かせてやった。」


 「するとその男は、突然熱帯魚屋に行くと言い出した。」


 「俺は奴に理由を聞いたら、その男はこう答えた。」




 「今からコメット(金魚)に願い事をする為さ!」




 少年は表情一つ変えずに男に言い放つ。


 「それって彗星じゃん。」




 男は少年の鋭い指摘に狼狽した。




 「お、おう……よし、お前に俺の最後のジョークを聴かせてやる。」 




 「俺はある日の夜、友人とバーに行き帰り道を酔っ払いながら歩いていた。」


 「俺はふと空を見上げると、一筋の流れ星が見えた。だから俺は願い事をしたんだ『世界一のコメディアンになれますように』ってな。」


 「するとそれを聴いた友人が『ブッハッハッハッハ!俺が聴いた中でお前の最高のジョークだよ!』と言いやがった。」




 「だから俺はアイツを星に変えてやったんだ。どう思う?」




 男は少年に感想を聞いた、しばらく少年は黙ったまま俯いた後ふと顔を上げる。




 「アンタは紛れもなく『ジョーカー』だよ。」


 少年はそう言って男の脇を通り過ぎた。




 「……これは一本取られちまったな。」


 男は振り向いて少年の背中を見ると、背中に隠し持っていた物をポケットの中にしまった。


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流星ジョーカー あんきも @yuymu

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