変わることの大切さと変わらないことの大切さ変わってしまうことの悲しさと変わってゆくことの喜びファンタジーですが、色や音符で比喩された世界の中に深い本質が潜むような、とても素敵なお話でした。こんな小説が書けるようになりたいなぁと強く思います。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(215文字)
生きていれば、思うに任せぬことが起きる。自分ではコントロールできない不幸にも根拠のない悪意にさらされることもある。それでも人は。そこから歩いていける。立ち上がり、前に進み、迷いながら先にいく。一歩でも、前に進むためです。書き手の構築する透明感あふれる世界の中で。あなたの答えを、見つけてください。明日につながる答えが、白と黒、赤の世界で待っています。
渡るその言葉をどんなに憧れてきたことか一度は海を渡ったわたしが、今は四方を緩やかな壁面で囲まれてどこへも渡れない行くとしたら地中かそれとも上空か病気や環境やさまざまな境遇によってその場を一歩も動けない方達をも慰めてくれる小説です動けないからこそ小説を書くことによって「渡ろう」として渡れないわたしをも慰めていただきましたお勧めいたします
すごい世界観です。このアイディアを思いついたことに圧倒されます。タイトル一覧見て、ピアノの世界に痺れます。海の向こうに、ピアノの鍵盤が見えるアノ。登場人物も変わってます。そして会話も独特です。「わたしが赤になった日、お母さんはやさしく頭を撫でてくれた。」など。音符が這い上がってくる、などの表現も素敵です。この世界観をぜひ体験してください!