006 『やったな、あいつ』

 数年後、一人の女性が僕の元を訪ねてきた。

 エイミだ。


「こんにちは、本日から太郎さんのお世話をする事になった、エイミです!」


「久しぶり」


「相変わらず、太郎さん、ちっこいですねー」


「うっさい」


 エイミの身長は僕よりもりんご一つ分は大きくなっていた。

 そして、生意気になっていた。


「早速料理を作ろうと思うのですが、何がいいですか?」


「何でもいいよ」


 そう言ったのが間違いだった。

 だって出てきたのは、


「お待たせしました、アボカドキムチ納豆マヨネーズカレーです!」


「……なんで?」


「ふふん、太郎さんはこれが大好きって聞いてましたので」


「……やったな、あいつ」


 僕は苦笑いをしてから、グツグツと泡立つカレーをすくって食べる。


 全く、味と香りも最悪だ。



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ハンドレッドライフ 赤眼鏡の小説家先生 @ero_shosetukasensei

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