第14話 ザケルの最後
壊された建物が建て直され復興が始まった。
そして、広場では磔台が建てられ、磔台にはザケルが括り付けられた。
「ドラゴンを呼んだ大罪人ザケルの処刑を行う」
「俺の家族を返しやがれ」
「母さんを返せ」
民衆がザケルに石を投げる。
「愚民ども。貴族が平民を虐げて何が悪い」
ザケルがそう言い放った。
この期に及んで反省の色がないな。
「火を点けろ」
磔台の下にある薪に火が点けられた。
「やめろ。熱い。何で俺がこんな目に。ちくしょう……」
終わったな。
俺の中の黒い何かがすっぱりとなくなった。
魔法の解説をする。
│A │B │C │
─────+─────+───────────────+───+
1│アローン │=A1&”の魔力” │ 95│
─────+─────+───────────────+───+
2│アダム │=A2&”の魔力” │135│
─────+─────+───────────────+───+
3│アドルフ │=A3&”の魔力” │ 87│
─────+─────+───────────────+───+
︙ ︙ ︙ ︙
─────+─────+───────────────+───+
98751│ザカリー │=A98751&”の魔力” │114│
─────+─────+───────────────+───+
98752│ザカライア│=A98752&”の魔力” │127│
─────+─────+───────────────+───+
98753│全員の魔力│=SUM(C1:C98752)│ │
─────+─────+───────────────+───+
98754│氷結魔法 │=B98753 │ │
─────+─────+───────────────+───+
まず、Aの列だが、ここはデータ抜き取りで入力した。
次にBの列。
=A1&”の魔力”とあるがA1は『アローン』が入っている。
&は文字列の結合だ。
”の魔力”を結合するとB1は『アローンの魔力』となる。
B2の入力だが、B1を入力するとドラッグで自動入力できるのだ。
SUMの所は前にやったから解説しない。
これで儀式魔法の完成だ。
『見事じゃ。お主のおかげで邪神の卵が一つ消せた』
神の声が聞こえた。
「邪神の卵?」
『お主の国にもいるだろう。怨霊が神になった者が』
菅原道真や平将門などか。
「いるな」
『マークはそれになるところだった』
「不味いのか」
『神になるのはいいのじゃが。大災害が起きる』
「そうか。俺がした事も意味があるんだな」
『お主のここでの役割は終わりじゃ。次の任務までゆっくりと休むが良い』
俺は体と切り離され空中を漂う。
マークを見ると、自信なさげにジェンナと話をしていた。
浄化されたマークの魂は元に戻ったんだな。
ちょっと気になったのでマークの後をついていく。
マークは騎士に叙勲されたようだ。
勲章も貰って前途は明るい。
表計算のスキルは無くなったようだが、俺がパワーアップさせたステータスはそのままらしい。
力技で騎士の勤めを果たしている。
「ザセキ、ありがとう。君の事は忘れない。体を乗っ取られていた時に見ていたよ。僕の代わりにやってくれたんだね」
マークが酒を飲んでそう言っていた。
お前の為じゃなくて、俺の為だったんだがな。
ただ、俺と似たような境遇の人間が、救われて良かったよ。
もう、マークの事はいいかな。
少し休もう。マーク、お休み。
「お休み、ザセキ」
現実改変の表計算使い~親友に裏切られた俺は、ビルから落とされた。落下の巻き添えで人を殺した贖罪の為に、報われぬ者を異世界で救う。最強無敵のスキルでざまぁしてやるぜ~ 喰寝丸太 @455834
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