番外編 

 「おわりに」まで書いたので、『出会えて良かったもの』は終わりにするつもりだったのですが、ふと先ほど見てみたらとあることに気付きました。

 大した事ではないのですが、「完結済」になっていなかったのです。


 だったら「完結済」にすればいいだけなんですが、


「『おわりに』とあるのに完結していない――? 妙だな――」


 と、見た目は子供頭脳は大人並の切れ者の方が続編を期待されているかもしれないと思い、慌ててキーボードを叩いている次第です。


 とはいえ。


 キーボードを叩くのも結構なのですが、特にもう書けるだけのネタはありません。このままではキーボードが単なる打楽器になりかねないので、とりあえず2021年の個人的な話をつらつらと書き連ねていきたいと思います。

 多分大した話にはならないので、ご興味なければ他作家様の有意義な作品をお読みになることをおすすめします。


 それではご興味のある方は、どうぞ。


① ヒトリシズカ:幽閉サテライト


 弾幕系シューティングゲーム『東方project』の曲。東方で有名なのは『恋色マスタースパーク』『色は匂えど散りぬるを』『Bad Apple!!』あたりでしょうか? 多すぎて解らん。

 シューティングは嫌いじゃないのですが、慢性眼精疲労ドライアイが発症してからは弾幕ゲーをプレイするのが困難になり、東方はもっぱら見る・聴く専門となってしまいました。


 それはともかく。


 もともとがゲーム音楽なので作業用として相性がよく、夏ごろにYouTube垂れ流して作業していたんですが――とある明け方に聴いていたら、なぜだかこの曲だけ妙に心に引っかかりまして。


 なーんか、小説にできそうな曲だなー。

 解釈小説でも書いてみようかなー。

 でも世の中にありふれてるだろうからやめようかなー。


 と、思ったんですよね。


 なお結局、何も書かないまま現在に至るわけなので、特にどうということもなかったのですが、それまで特別に好きでもなかった曲が、やけに心に引っかかったのが印象的でした。

 その後、解釈小説とは方向が違いますが、ぼんやりと作品の形が定まったりしたので、気が向いたら(もしくはネタが切れたら)書くかもしれません。期待しないでください。


 ちなみに知らなかったんですけど、『ヒトリシズカ』って名前の植物があるんですね。

 さらにちなみに、『フタリシズカ』っていう植物も存在するとか。

 これもこれで何かのネタになりそうですけど、とりあえず私は使う予定ありません。


 オチの予定もありません。


② ロストジャッジメント(ゲーム)


 別名「キムタクが如く」とか呼ばれる、セガの『龍が如く』スタジオが贈る『ジャッジアイズ』シリーズ第二弾。ジャンルはリーガルサスペンスアクションゲーム(長い)です。

 前作はキムタクを操作できることで当初は話題になったものの、そのストーリーの完成度やゲーム性で一気に話題になった作品。さらに出演者の不祥事でも――おっと、来客かな?


 それはともかく。


 そんな前作の期待を背負った、ファン待望の続編。

 個人的には前作以上に面白いです。

 『リーガルハイ』などの法廷闘争系が好きな人は、YouTubeでプレイ動画とかを見てみることをおすすめします。ドラマとしてもよくできてますので。リーガル要素は薄めですが。

 また今作では「イジメ」というテーマを取り扱っており、色々と考えさせられる作品でもあります。

 小説として取り扱うにも非常にセンシティブで難しいテーマなのに、それを娯楽の象徴と言われるゲームで描き切ったのは、見事と言うより他にありません。

 娯楽エンターテインメントではあっても、面白いものを作り出すためには難しいテーマと真剣に向き合うという、セガの(というか『龍が如く』スタジオスタッフの)創作者クリエイターとしての姿勢にも感銘を受けた一作ですね。


 ちなみにどうでもいい話ですが、昨年秋ごろから私の創作が滞ったのは、主にこれのせいです。


 オチも滞ってます。


③ 劇場版シン・エヴァンゲリオン(映画)


 私の年代にとって、エヴァンゲリオンというものは少々特殊な響きを持っております。

 もともとTV版の『エヴァ』はリアルタイム世代ではないのですが、再放送直撃世代でして、運悪くガチ中二の時期でした。そのため、世代全体で強い影響を受けたアニメですね。

 再放送で人気を博し、社会現象となったのは『ガンダム』と同じであるため、平成ロボットアニメの代名詞と言っても過言ではないと思います。

 そんなエヴァがいよいよ完結するとあっては、何を差し置いても映画館で見届けるべく、座席を抑えたのですが――それはちょうど最終日のレイトショーという、まさに最後の最後でした。

 エヴァが終わらない限り、俺たちの思春期も終わらない――そんな言い訳に似た感傷を抱えながら生きた二十余年も、いよいよ終わりの時が訪れるのです。


 そしていざ臨む、シン・エヴァンゲリオン。


 作中でこのような主人公の台詞があったのを思い出します。


「僕は、僕の落とし前を付けたい」


  逃げの代名詞みたいな主人公が口にした決意に、思わず涙腺が緩くなり――これを聞いた瞬間、ああ、これは庵野監督の想いなんだろうなと思い当たりました。


 私のような大海藻屑系創作者カクヨムワナビですら、創作の苦しみに負けエタりたくなることが多々あります。それが時代を背負ってしまった庵野監督ともなれば、どれほどの苦しみかは想像もつきません。

 ですが、そんな彼ですら紆余曲折はあったけれど、きちんと終わらせることを選び、それをやり遂げたのです。

 となれば、その万分の一にも満たない私の重圧なとで、逃げ出すわけにはいかないでしょう。

 落とし前ケジメをつけること。それは、一度始めたことをやり抜く決意。最後まで責任を果たすことこそ、大人の証明なのです。

 それをエヴァは――庵野監督は――やり切った。

 ならば私も、逃げてばかりの思春期はもう終わりにしよう。


 これをもって、私は大人を生きてゆく。

 折しも、年齢はまもなく不惑。

 もう二度と、エヴァと出会うことはないだろう。

 だがそれでいい。

 私はもう、惑わない――。




 さようなら、すべての若かりし頃エヴァンゲリオン




 最後のエヴァンゲリオンを見終わり、私の心中は新たなる一歩へ向かう決意で満ちていました。




 ――そして数日後。


 とあるニュースが私の目に飛び込んできました。




「シン・エヴァンゲリオン、AmazonPrime Videoにて全世界最速配信決定!」




 やあ、また会ったね――エヴァンゲリオン(カヲル君口調で)。


 私の思春期は、しばらく終わりそうにないです。


 シン・オチンゲリオン。




 *




 番外編は以上です。

 勢いで書いたので、ろくな推敲もしていない雑文です。お付き合いいただき、ありがとうございました。

 なお、③だけ異様に力の入った文章なのは、実はかつて別で作った未発表作品を流用してきたためです。かつて映画観賞記として作ったものの――その後すぐにアマプラでの配信が決まったことで、なんか萎えたので未発表にしていたのです。

 せっかくなので、その未発表作品にいつもの私の悪癖くだらんオチを追加して、引揚サルベージしました。エヴァらしく。


 それはともかく。


 過去を振り返るのはこのくらいにして、新たな年を進んでいくこととしましょう。

 それでは、改めまして。


 今年もよろしくお願いします。

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2021年に出会えて良かったもの ささたけ はじめ @sasatake-hajime

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