除夜の鐘
オダ 暁
除夜の鐘
行く年と来る年の
橋渡しの刻
大晦日の夜のしじまに
除夜の鐘が鳴り渡る
合わせて百八回
四苦八苦して生きる人間の
煩悩の数だけリフレインする
寺の鐘つき男が
力をこめて打ち鳴らす
鐘の響きの物悲しさよ
くすぶり続ける情念の炎を
押し堪えた
老いた女の嗚咽のような
それとも
安住の地に棲む霊達の
累々たる屍に捧げん
レクイエム
終りの夜
厳かに
鳴り響く
除夜の鐘 オダ 暁 @odaakatuki
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