僕らがそれに気付くのはいつもずっと先のことで

作者 綺瀬圭

76

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★★★ Excellent!!!

本作はある兄弟を主軸に置いた幼なじみとの恋愛模様と、それを取り巻く人々と関わり、成長・成熟していく物語です。

本作は平成世代に確実に刺さる一作。
文面に出てくるテレビ番組、人物、映画、音楽。平成世代ならばすべて『わかり』ます。これでもかと小ネタが仕込まれています、この懐かしさを味わっていただきたいです。

そして、この物語の最大の魅力は、キャラクターの作り込み。
特に主人公兄弟の心の揺れや若気の至り、互いへのコンプレックスや本心。描き方が丁寧で、抜群に巧みです。

ひとつ、結末を先に置いているので、どうしてこの結果になったのかを知りたくなる構成もお見事。

20代中盤~30代前半には特にオススメ。
笑いあり、涙ありの青春劇。
是非、ご一読ください!

★★★ Excellent!!!

一人の女の子をめぐって、兄弟どっちとくっつく———?

あらかじめ見出しでも掲示されてる通り、どちらかとくっつくこの物語。

『タッチ』みたいな感じの話かと思いきや、どっちがくっつくかまるでわからない。どっちとくっつくんだろう?って楽しみながら読み進められます。


この作品の素敵だなあって思う点は2つあります。

1つはこの時代の空気感。2000年代初頭のSMAP、松浦亜弥、おっはー、ぷよぷよ、ウィルコムなどなど、彼らの回想と、その時代に忠実な流行したものが出てくるので、懐かしい、エモい、一周回って“新しい”。

2つ目は心理描写。繊細な心の動きがつぶさに描かれていて、かつ説得力があります。例えば兄貴と好きな子のキスを見た幼稚園児の反応の描き方。幼い子がどんな反応するかなんて考えたこともないけど、きちんと丁寧に描かれているので、“あ、わかる、そーかも…”とか思います。

眼に見える時代の躍動と眼に見えない心の微動がハーモニーとなっている素敵な作品です。おすすめ!

★★★ Excellent!!!

2・1②まで読みました。

「おはーでマヨチュッチュ」
この一文がメロディ付きで読めちゃった人は全員この小説を読んだ方が良いですよ。
あの頃の空気がぎゅーっと凝縮されて再現されてます。
当時の子ども目線からこの時代のことを此処まで濃密に書いてる小説もそんな無いですよ。
あまりの懐かしさに狼狽えました。

この小説の凄い所はそんなノスタルジーだけでは無い所です。
あらすじにも書かれていますが、ヒロイン夏とくっつくのは兄の早人か弟の勇人どちらなのかを推理していく構成になっております。
早人と勇人二人の視点から描かれる胸キュン青春ラブストーリーを「どっち!?」とハラハラドキドキしながら読むのがとても楽しいです。

今の所、私が好きになった方の人とはくっつかないんじゃないのかなあーという気がしてます。
でも、二人の心情がそれぞれみっちり描かれている訳ですから、最終的には正統ラブストーリーとしてもBSSとしても非常に美味しくなるんじゃなかろうかと期待してます。

今後も楽しみにしております。