第7話 翌日

ドォーン、ドォーン…時間を知らせる太鼓(時太鼓)が鳴った。寝る前に秀吉様が教えてくれたのだが、ここの時太鼓は丑の刻〜亥の刻まで鳴らしているそうだ。今の音は今日初めて鳴った。つまり今は丑の刻ということで…


「あ、そういや集合時刻寅の刻にしてた…」


ということに今更ながら気づき、俺は急いで支度をするのだった。




「皆さん集まったかな?ではこれから昨日の続きを始めたいと思います!」


2時間後、なんとか用意できた俺は職人さんたちの元へ行った。昨日の工事である程度の基礎はできているので、あとは仕上げるだけだ。


「ではまずは、昨日と同じ班に分かれてください。ってもう分かれてるんでしたね…では今日は、昨日石と土と漆喰で作ったところを仕上げていきたいと思います。具体的には、昨日やったところの外に堀を作ります」


「堀?」


「はい。水がないとはいえ堀があれば、敵の足止めには十分役に立ちます。とはいえ堀は時間かかるので、今日入れて…4日でお願いします」


「「「「「了解!」」」」」


またもや頼もしい声だ。この人達なら頼りになるだろう…と思っていると、


「ハルト殿、秀吉様がお呼びです」


「分かりました」


秀吉様から呼び出しを食らった。どんな話なのだろうか…




「おお、ハルト。今日はそなたのあの作戦を実行してみようかと思ってな」


「そうですか!」


「ああ。だがその前に一つ聞きたい」


「何でもどうぞ」


「そなたはほんとに美濃側の間者ではないのだな?」


「はい…」


やはりまだ疑っているようだ。どうしようか…と思っていると、


「実はな…今日ここに予定より早く信長様がお着きになるのじゃ。だからそなたをどう説明しようかと悩んでおってな…」


「そうですか…では僕は尾張国の那古野の出身だと言っておいてください」


「那古野か…分かった。あと数刻の内に来られるようだから用意しておくように」


「はい」


こうして俺は、戦国の雄である信長と対面することになるのだった。

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戦国歴史転換物語 アストラル @masa_6120ss

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