第6話 戦術
「僕が考えたのは、今ある兵士を3つに分けた上で、相手と戦うといったことです」
「3つだと?どういうことだ?」
「今この城にいるのは1500人ですよね?だからその1500人を3つ、つまり500人ずつに分けて戦うんです」
「…それは前にやったのじゃがな」
「でも前は後ろから回り込ませたでしょ?今回は足の早い人500名で敵を追い込み、その後…ってそういや秀吉様、今この城に鉄砲…種子島は何丁ありますか?」
「300じゃ。それだけしか用意できなくてな。ちなみにこれが今織田家が所有する種子島の全てじゃ」
「そうですか…あとこのあたりの地図はないですか?」
「あるにはあるが…」
そういって秀吉様が下に降りていった。と思ったらすぐに巻物らしきものを抱えて戻ってきた。
「これがこの周辺の地図じゃ」
「ありがとうございます。…あ!ここがいいですね。ここに種子島を持たせた300の兵とその護衛として400の兵をここに潜ませてください」
「なるほど…それで追い込むのじゃな?」
「はい。そこに引き込んでからてっ…種子島の一斉射撃で終わらす…といった感じです」
「なるほどな…分かった。少し考えさせてくれないか?それまではそなたは今日と同じように改修工事をしておいてくれ」
「分かりました」
こうして、波乱の一日は幕を閉じたのだった。まぁ今回秀吉様に伝えた戦術は、これから約300年後に西南戦争で使われた戦術なんだが…それを秀吉様は知るよしもない…と思う。
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