第5話 秀吉様の元で

「ん?ハルトよ、今日の工事は終わったのか?」


「はい。今日はとりあえずの基礎だけ作ってあとは明日に回そうと思います」


「そうか…まぁそれはいい。あと何日でできる予定じゃ?」


「雨が降らなければ1週間ほどで終わる予定です」


「そうか。城の改修に関してはそなたに一任してあるからな。信長様が来てくれるまで耐えれたらそれでよいからな」


「はい!」


「まぁそれはそうとして…今日はせっかくじゃからそなたと夜を過ごそうと思ってな。どうじゃ?」


「わかりました。では行きましょう!」


「そう言ってくれると思ったわ。ではこっちじゃ」


そんな事目上の人に言われて断れるわけ無いだろう…と思いながら、俺は秀吉様についていくのだった。




「これは…月が綺麗ですね」


「じゃろ?ここは景色が綺麗だからのぉ…」


俺はおそらくこの墨俣城で1番景色がきれいなところに連れてこられた。そこから見える月は、空気が澄んでいるのもあってかとても綺麗で、しばらく声も出なかったほどだ。


「じゃあせっかくじゃしそなたのことについてもっと詳しく知っておきたくてな」


「それは全然構いませんが…長くなりますよ?」


「構わんさ。夜は長いしな」


こうして俺は、秀吉様にすべてを話すのだった。




「そうか…ミライとはいくさがないとはな…」


「はい。なので僕にいくさの仕方を教えていただきたいな…と思いまして」


「そうか…分かった。では信長様が来られたら、信長様に挨拶に行こうではないか。

その後の判断はそなたに任せるよ」


「分かりました。…なんかいろいろ便宜を図っていただいて申し訳ないです」


「そなたは気にしなくても良い。でもミライの戦術はあるのだろう?」


「ありますけど、この時代で役に立つかどうか…」


「そうか…そうじゃ!今この城には1500の兵がおる。ミライの戦術ならこの状態でどうする?」


「信長様はどこにおられるのですか?」


「小牧山城じゃ。信長様のもとには兵は3000ほどおる」


「相手の兵は?」


「偵察をかけた段階では…確か6000ほど稲葉山城におるはずじゃ。美濃の軍勢で自由に動ける兵は…多くて4000ほどじゃろうな」


「1500と4000…あ!そうだ!」


俺はあることを思いついた。しかしその選択により、歴史が大きく変わることに今は気づいていないのだった。

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