これぞ名付けの美学!

古典的な落語を思わせる作品だ。話の筋としては「寿限無」だが、その和尚さんの名付けパートをS級パーティーの3人に分割することで寿限無の親の欲張り感が、縁起も世間体もあれもこれも捨てがたいという親の庇護欲に昇華され、後半のムツとのパートにおいて名付けられる側の犬の立場から彼らが仲良くして欲しいと名付けのすべてを受ける場面は「子は鎹」のような人情話の要素を帯びてくる。
そして最終的に3人がそれぞれ自分の名付けた名前で呼べるようになる様は「三方一両損」のようなトンチの効いた良い解決策の風味がある。
まことにお後がよろしいようで。

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