第9話 初訪問

フレンドデートの別れ際、私は遠哉の家に行く事になった。


色々と話をしながら向かう私達。




正直


私の心臓は


ドキドキで


だけど


もう少し


一緒にいられる


その思いが


嬉しかった



私達は


何処か


同じ想いだった


好きとか嫌いとか


特別な感情は


何もないかもしれない




でも――――



何処か


心の奥で


何かを求めていたのかもしれない





「あがれよ」


「あ、うん…」




《ヤバイ…マジ緊張してきたんだけど……》



「コーヒーでいい?」


「うん…」




私を部屋に案内する。席を外す。



「適当に座ってな」



そう言うと、席を外す。



そんな私の胸は、さっきからドキドキしている。




「男の子の部屋って初めてなんだよな……」




少しして、遠哉が戻ってくる。



「ねえ、遠哉は女の子の家に行った事とか、今日みたいにあげた事とかあったりする?」


「あるよ」


「そっか…私…正直、今まで男の子の家にあがった事なくて遠哉が初めてなんだ」


「そうなんだ。えっ?元彼は?」


「…えっ!?」


「あっ…悪い」


「ううん…平気。元彼はないんだ」


「ないんだ。彼女なのに?普通出入りさせるものじゃねーの?つーか…逆に、それ怪しくね?」


「えっ!?」


「何かあるからあがらせないとか?じゃあ、俺は、その分、安心だな?」


「そう?逆に怪しいよ!誰でもあげちゃうのかな?って…」


「えーっ!何?何?それって、俺、軽い男に見られてる感じ?そういうお前こそ、ノコノコついて来てんじゃん!軽い女って思われるぞ!」


「私は、そんなつもりないし!私は、本当に、一緒にいたいと思って!それに遠哉が好きだからっ!」


「…えっ?」


「…あっ!…いや…」




「……………………」



私は、目をそらす。



「ご、ごめんっ!今のなし!か、帰るっ!今日はありがとう!お邪魔しました!」




私は荷物を持ち立ち上がり帰り始める。



グイッと引き止められた。



ドキッ


胸が大きく跳ねる。




「まだいれば?つーか…告っといて、今のなし!とかありえないから!」


「…それは…そう…だけど…でも…」




グイッと引き寄せ抱きしめられた。




ドキーーッ


私の胸が再び大きく跳ねた。




「…いつからだろう?」


「えっ…?」




抱きしめた体を離すと向き合う私達。




「…お前の事…磁石みたいに惹かれてんの。今、何してんだろう?って気になって携帯片手に、いつの間にかメールしてたりして…」



「…………」



「だったら…私だって…いつもタイミング良く連絡来ていた事…凄く驚くばかりだったよ…」


「えっ…?」


「何かあったら連絡入って…いつも思ってた…。それに…携帯に手を掛けた瞬間…連絡来たりして…偶然にしては…そう何度も続くと気になってくるに決まってんじゃん…」


「瑞生…」


「私…何度も告白しようって思ったけど、仲壊れるの嫌で…」


「それは俺も同じだった。だけど…日に日に、お前に触れたくて仕方がなくて…」


「…遠哉…」


「俺と付き合う?」


「えっ?…俺と付き合うって…どうして、そう言う言い方なの?相思相愛なのに付き合おうって言ぇ……」




言い終える前に唇を塞がれた。




「………………」



「お前が好きだ!俺と付き合って欲しい!瑞生」




ドキン…



「…うん…」




私達は、もう一度キスをした。






〜 E N D 〜

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X’mas の Snow Man(仮) ハル @haru4649

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