酒場にてーアイデンティティ喪失の夜ー
オダ 暁
酒場にて
酒を飲めば飲むほど
眠っていた理性が目覚め
覚醒されていく人間
それは私だ
薄暗い照明とジャズ音楽がここちいい
とある酒場で友人二人と
酒を飲み交わした週末の夜の出来事
ほろ酔い気分で途中
洗面所に立った私は
その密室の小さな鏡に映った
自分の顔が
見知らぬよそのひとに見えて
思わず知らず質問しました
「あなたは だれ?」
むろん返事はなく
強烈な孤独と鳥肌が立ちそうな恐怖に襲われ
私はその場に茫然と立ち尽くしていました
先刻までの賑々しさが噓のようで
一人だけ別世界にワープしたみたいで
名前は記号にすぎず
今の自分は仮の姿
WHO AM I ?
狂気がかかった意識が視た
真実の己れ
虚飾を脱ぎ捨てた一人のひと
がそこにいた
酒場にてーアイデンティティ喪失の夜ー オダ 暁 @odaakatuki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます