エピローグ

 ───風の噂というのは思いの外、耳に届く。

 みんなのその後は聞いていた。

 レイナ、ライヤー、ジョンは、それぞれ学生として人間社会に溶け込んでいるらしい。

 特にレイナは元になった人間の母と仲良くなったらしく、毎日が楽しそうだと聞いた。

 ライヤーとジョンは相変わらずらしい。

 それでも、二人とも夢を探しているだろうか。

 カレンと人間のバザーはその後病院を取り仕切ってるそうだ。

 浮ついた話は今のところ聞かない。

 カプチーノと天使だったバザーはそれぞれ旅に出たそうだ。

 いつかまた、へんな形で出会いそうな気がする。

 他の天使たちも人間として生活出来ているそうだ。

 そして、わたしは──────────。


      ♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎


 ──────とある廃ビルの屋上。

 朝日を背に浴びながら、一人の少女が飛び降りを試みている。

 少女は生きているのが辛かった。

 誰も少女を気にかけない。

 そんな孤独な生活に耐えれなかった。

「こんな現実、なんのために生きてるんだろう」

死ぬのは怖い。

 けど、それで楽になれるなら───────。


「───待って!」


 少女が柵から手を離そうとした瞬間─────その天使は現れた。

 ────ウワサ程度の都市伝説。

 死ぬほど不幸な人や、死を望む人のもとに現れては、寄り添って話し合ってくれる天使の少女がいるらしい。

 その天使は純白の服に身を包んで、鮮やかな金髪で、温かい蒼の瞳をしていた。

そして、優しく微笑んでは、こう口を開く。


「一緒に────お話しよっ!」


 これが、ウワサ程度の都市伝説。

 ───けど、いつかはきっと。

 天使の少女の"夢"は、夢見たきらきら星を掴むことだろう───────────。

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天使の少女はきらきら星の夢を見る べやまきまる @furoaraitakunai

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