第3話 電話。




 深夜。


 唐突にテツヤのスマホが鳴る。


 ぷるるる……ぷるるる……ぴっ。


 スマホのディスプレイに表示された『久野宮 涼花』の名前を目にして通話ボタンを押した。


「どうした? スズカ?」


「ありがとう。ちゃんと紹介してくれて」


「飯、奢れよ? しかし、何でこんなまどろっこしいことを……お前が告ったら男なんて誰だって落ちるだろうに。男は彼女とかが居なければ、別に好きじゃなくても外見いい女から告白は高確率でOKするぞ?(テツヤの勝手な偏見です)」


「高確率でも断られる可能性があるじゃない? もし断られたら私は死んでしまうわ」


「……百斬りがよく言う」


「ん? 何か言った?」


「いやなんでも? それで、あれからどうしたんだ?」


「ふふ、映画館で一緒に映画を見たわ。だけど、内容なんてほとんど入ってこなかったけど。たまに手を触れたりして。けど、暗くて彼の赤くした顔を見れなかったのが残念だったわね」


「楽しかったなら良かった。それでユウリはどうだった? 良い奴だったろ?」


「ええ、やっぱり彼は私の理想の彼よ。盗撮した写真以上に実物は格別に可愛かった。特に顔を真っ赤にした時なんてすごく可愛かったわ」


「……」


「はぁはぁ……あの可愛い顔を抱きしめて……ずっと、ずーっと、めでたいわ」


「重度のショタだな……って盗撮していたのか変態かよ」


「変態……そ、そうね。部屋に張られた大量の写真を片付けないと」


「引くわー。ドン引きッスわ」


「テツヤに引かれてもいいけど……ユウリ君に引かれてしまうのは嫌ね。何とか処理しないと」


「いや、そのうちお前のショタと変態さはバレるだろ……早めにバラしておけよ。そっちの方が楽だぞ?」


「そうかもしれないけど……彼にフラれたら私はどうやって生きていったらいいわけ?」


「けど、ユウリは罰ゲームと言う態だから俺とスズカが腹違いの姉弟であることを含めていつかはネタばらししないとだと思うんだけど?」


「……そうね。それまでには何とか……私以外のことを考えられないように洗脳とか催眠術をとか身に付けなくちゃね。ふふふふふふ」


「怖……スズカ。怖。前から思っていたけど。俺の親友が心配なんだけど」


「ふふふ、じゃ……約束通り何かあったら連絡するわね」


 そこで、通話が切れたのだった。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

罰ゲームで訳あり美少女に告白してみた 太陽 @kureha1

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ