第6話 エピローグ「忙しい夜」
ニコとトムが新居への引っ越しを終えたのは、その日の夜だった。
面倒な郵便転送の手続きを閉局前の郵便局で終え、何とか荷物の仕分けも終わった。
「やれやれ。やっと終わった。」
「座っているだけで何にもしてないだろう。」
「ひどい言い方だ。郵便転送の手続きは本人でなければできない。」
「そこまで車椅子を押していったのは誰だよ。」
「感謝している。わかったよ。フライドチキンの話はなしだ。」
トムは安堵した様子で、
「よかった。これ以上働かされたらたまらないからね。」
「さっさとシャワーを浴びて寝よう。明日から忙しい日々…。」
ふと、電話が鳴った。ベッドサイドに置かれていたため、腰かけていたニコのほうがとるのが早かった。
「もしもし。ああ!ダニエルさんですね。明日からお世話になります。え?今から?」
何やら不安がもたげてきたトムはニコの取った電話に不安を覚えた。
はあ。とため息をついて、ニコは電話を下ろした。
「ダニエルさんから連絡だ。すぐラジオ局に来いって。」
「今から?」
「新入社員の証明書を書かなければならないらしい。明日では業務に支障が出るから、今日書けって。」
「勘弁してよ…。眠くて死にそうだよ。」
「まだまだ一日は終わらないな。」
夜は続く…。
ラヂオな時間 -TWO WORLDS- (2) @spaceblue
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